【完全版】営業とは何か―営業の本質と真髄、その全てを学ぶ

5.デキる営業とデキない営業の違いは3つの能力の差にある

PDCAサイクルを回すことで成果を出すのが仕事―――
では、デキる営業とデキない営業の違いはどこにあるのでしょうか?

いわゆるソリューション営業、企画提案型営業、コンサルティング営業などと呼ばれるスタイルの営業は、7ステップをきちんと完結することではじめて成立する、ハードルの高い「提案営業」に属します。
中でも、見込み客の欲求を揺さぶり購入(行動)に至らしめることができ、顧客の課題・悩みを自社の商品・サービスで解決できる力がある営業マンがいわゆる「デキる営業」と呼ばれるわけですが、デキる営業マンたちはある特定の能力を持っていたりします。

それは、「顧客の真の課題・悩みを見出す力」、「課題解決能力」、そして「プロセスマネジメント能力」です。
ひとつずつ解説しましょう。

なお、デキる営業マンの特徴については、「決定版。営業職の転職で活躍する人物特性」でも紹介していますのであわせてご覧ください。

5-1. 顧客の真の課題・悩みを見出す力

他社の人間に対して課題や悩みを理路整然と話してくれる人はほとんどいません。
話す気があっても、実際には自社の課題や悩みを正確に認識していない、あるいは認識していても他人にわかるように言葉にすることができないという問題もあり得ます。

従って、「聞き出す力⇒傾聴力」と「洞察力」、そして整理されていない「主観的」「表面的」な情報を糸口にとことん聞き出し、社内や相手の様子を見ながら真の課題を導き出す力が絶対的に必要になります。

5-2. 課題を解決する能力

課題解決能力は、複雑な要素で成り立っています。
まずは顧客周辺から集めた情報から「フレームワークを組む力」。まずは全体を整理して俯瞰して状況把握をする必要があります。全体像が見えてきたら「分析力」「戦略立案力」と「論理的思考(PDCA)」で組み立てて提案していく流れになります。

5-3. プロセスマネジメント能力

これは大前提ともいえる能力なのですが、先ほどの7つのプロセスをしっかり回す力、つまり「やりきる力」を指しています。

但し、「やりきる力」とは言っても、自分ひとりで全ての作業をやりきる、ということではありません。
フロントに立って全てのステップをしっかり管理して、完結できるかどうかです。
つまり、顧客との交渉など商談の場面は当然営業マン自身がやるものの、例えば部下・他部門の人に任せることは任せつつ進捗はしっかり追うなど、人を巻き込みつつ自分がそのマネジメントをすることができるかにかかっているのです。

6.営業の真髄は「顧客の創造」

さて、一般的には営業の真髄と言われている「顧客の課題・悩みを解決する提案営業」ですが、「デキる営業」と呼ばれるタイプの営業マンには更に上がいます。

それは、「顧客にとって全く新しい価値観や潜在的ニーズを喚起し商品やサービスを創造できる営業マン」。
正に、「顧客の創造」が営業の真髄なのです。

6-1. 顧客の創造は営業マンの市場開拓ゲーム

企業の存在意義を「顧客の創造」と唱えたピーター・ドラッカー氏の原文では「create a custmer」と表現しています。1人の顧客を創ることが市場を創り、それができる企業にこそ存在価値があると言っているのです。

1人の顧客の創造・・・それは営業が出来ることではないでしょうか。

その行動がさざ波を起こし、ひいてはビックウェーブになり市場が創られるのです。目の前の1人の顧客の価値観を変える提案をコツコツとやり続けていくことが大事なのです。そのためには、前述の「常識や固定概念にとらわれない力+発想力」「やりきる力」「チャレンジ精神」が必要になります。ただし、いきなりこれらの力が備わっている人はごく稀で、訓練しなければこの力はつきません。まずは意識することが大切です。

自分たちの商品・サービスと直接的に結び付く顧客も大切にし拡大していきながら、連想ゲームのような感覚で常識的には結び付かない顧客群にも目をつけてアタックをしていくのも1つです。

経営戦略論やマーケティング用語に『ブルー・オーシャン戦略』というものがあります。これは、フランスの欧州経営大学院教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュにより発表された著書『ブルー・オーシャン戦略』により提唱されたもので、特に日本人に好まれている言葉です。

競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(血みどろの激しい争い、血で血を洗う市場)」と表現したのに対して、競争のない未開拓の新しい市場を「ブルー・オーシャン(競争相手のいない市場)」と表現したのです。提唱された戦略では、具体的な方法論にまで触れており「高付加価値を持つ新市場の創造」に主眼を置いています。

本来「ブルーオーシャン戦略」は経営戦略なのですが、企業が大きくなればなるほど外した時の影響が大きく、投資が難しくなるもの。それを一営業が実践するることが自分だけでなく、会社にとっても非常に大きなヒントになるのです。

6-2. 顧客の創造を通して見えてくる将来のスキルアップ

やり続けていると、まずは1人の顧客を創ることができます。そうすると、不思議なくらい後から追って受注してくれる顧客が続いて出てきてくれるようになります。このようなアクションを一営業のうちからやっていると、新規事業を任されるようになったり、数字やマネジメントスキルも上げていくと経営企画や事業企画、営業部長などへの道も拓けてきますし、ゆくゆくは子会社含めた社長・・・というのも見えてきます。

営業からのキャリアパスとして、マーケティング部門や経営企画部門の職種への転職は年収アップにも繋がっていきます。インセンティブが大きい業界で、トップセールスとして活躍し続けることも稼ぐ営業の1つの形ですが、年齢による体力低下などの身体的能力の低下を鑑みると、営業としてではなく新規事業や経営企画、マーケティングといった部門へのステップアップが成功ケースとして多く見られます。

営業から新規事業企画や経営企画、マーケティング部門へのステップアップには、顧客の創造による市場の創造にプラスして売上だけではなく、”利益”を考えられるようになる必要もあります。新しい市場を創ることには、当然コストもかかります。費用対効果(ROI)を意識することも忘れてはいけません。

冒頭に述べた通りに、それほど営業とは、経営や事業を作り出すことや動かすことに直結する仕事なのです。この意識レベルで取り組むことで、自身の成長スピードが他を圧倒するだけでなく社内でも一目置かれ、出世への階段を上ることにもなりますし、いざ転職という時もステップアップした転職など自分で描くキャリアに沿った転職ができます。もちろん起業を一つの道として選ぶ人も多いです。

また、自分を知るには、内省と対話が必要と言われています。対話には、我々転職エージェント「スターリーグ」を使っていただくのも一つです。これまで1万人を超える方々と面談していますので、キャリアパスについて具体的なヒントをご提供します。

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