【採用のポイント】面接で聞いてはいけない質問集

採用担当者こそ油断大敵

採用で良い人材を採りたい!という思いが強すぎて、採用面接で聞いてはいけないことまで質問してしまうケースが頻出しています。 その結果、毎年ハローワークに1,000件前後の相談が持ち込まれ、事実確認後、指導・啓発までされています。(厚生労働省 HPより)。 厚生労働省が採用選考のポイントとして挙げているのは2点です。

  • 基本的人権を尊重すること
  • 適性・能力のみを基準とすること

具体的には、HPでも紹介している「公正な採用選考」に基づく配慮すべき事項として下記2点を明示しています。

  • 本人に責任のない事項の把握
  • 本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握

役所関係から罰則が与えられることは、ほとんどありません。目立ってしまっても指導・啓発が主です。 一番の問題は、近年情報伝達・拡散のスピードが著しく上がり、1採用担当者の言動・行動から企業ブランドや信頼性を損ねる事態をも招いてしまうケースも出ていることです。

今回は、頻度順に具体的な質問例を挙げて対策をご紹介します。

新卒採用、中途採用、パート・アルバイト採用・・・どのシーンであっても、人事担当者であれば、必ず意識して面接に臨みましょう。 応募者も志望企業が転職先として問題のない企業が厳しくチェックしています。

1.頻度:★★★ 見てビックリ!うっかり使いがちなNG質問例

<NG質問例>
  • ご結婚されていますか?
  • ご結婚の予定はございますか?
  • お付き合いされている方はいますか?
  • ご結婚されたら仕事はどうする予定ですか?
  • ご出産の予定はございますか?
  • もし、今後出産されたら仕事はどうしますか?
  • お子様はいらっしゃいますか?
  • 血液型は何型ですか?

cancel【男女雇用機会均等法への抵触、セクシャルハラスメントの可能性】cancel
採用する企業側としては、今後の戦力を計画するために聞いてはおきたい気持ちはよくわかります。
しかし、男女関係なく不快に感じた時点で「セクハラ」として訴えられる可能性もあります。

確認したいことは、今後ライフステージの変化があった時にどのように働こうと考えているのか?です。
キャリアプランについて、ストレートに聞くのが良いでしょう。応募者側が、結婚や出産に触れる分には問題ありません。(それでも選考のジャッジポイントにしてはいけません)

<代替 質問例>

  • 今後のキャリアプランを詳しく教えてください
  • 5年後、10年後と色々と変化もあると思いますが、今後のご自身のキャリアをどのようにイメージしていますか?


<NG質問例>

  • 家族構成を教えてください。
  • 兄弟(姉妹)は何をしていますか?
  • お父さん、お母さんの学歴は?
  • お父さん、お母さんのご職業は?勤務先は?役職は?(収入は?)
  • ご実家の家業は何ですか?
  • 両親は共働きですか?
  • 転校の経験はありますか?

cancel【本人に責任のない事項の把握に該当】cancel
面接のアイスブレイク、応募者の人柄やその背景を見たいという理由で使われがちな質問です。
選考基準というよりも選考の参考にするだけとは言え、本人にはどうすることも出来ない事由であるため、聞かない方が良いでしょう。

確認したいことは、応募者の人柄や今後目指しているキャリアプランでしょう。
家族を知ってその情報から投影するのではなく、本人に直接聞いて誤解が生じないようにしましょう。

<代替 質問例>

  • 周りの人から、どういう人だと言われますか?
  • 長所、短所を教えてください
  • 今後のキャリアプランを詳しく教えてください

頻度:★★ あの人が質問してたかも!?組織内で要チェックな質問例

<NG質問例>

  • 尊敬している人物を教えてください
  • 信条としている言葉は何ですか?
  • どのような本(雑誌)を愛読していますか?
  • どこの新聞を読んでいますか?
  • 自分の生き方についてどう考えていますか?

cancel【本来自由であるべき事項の把握に該当】cancel
厚生労働省は、「人生観・生活信条に関すること」「尊敬する人物に関すること」「購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること」は、採用選考において適性と能力に関係がない事項としています。

採用担当者が面接で確認したいことは、「知的好奇心の有無、情報アンテナの高さ」「目指しているビジョン・キャリアプラン」でしょう。
知的好奇心については、類は友を呼ぶとはよく言ったもので、応募者の友人について聞いてみるとわかることがあります。また、トラブルを自力解決することも多いこともわかっています。

目指しているビジョン・キャリアプランについては1章と同様にストレートに質問すると良いでしょう。

<代替 質問例>

  • あなたのご友人は、どのような人が多いですか?
  • トラブルをご自身で解決されたエピソードはどのくらいありますか?どれか具体的にお話しいただけますか?
  • 今後のキャリアプランを詳しく教えてください

<NG質問例>

  • お住まいの地域は、どのような環境ですか?
  • △△町のどのあたりですか?
  • ご自宅付近の目印として何がありますか?
  • お住まいは一戸建てですか?
  • 持ち家(購入物件)ですか?借家(賃貸)ですか?

cancel【本人に責任のない事項の把握に該当】cancel
アイスブレイクとして使われることが多い住所関連の質問。差別問題と受け取られる可能性があるため避けましょう。

アイスブレイクとして使いやすい質問例をご紹介します。
ポイントは、イエスノーで答えられるクローズ質問と卑近な話題です。

<代替 質問例>

  • 〔天候、気候〕急に寒く(暑く)なりましたね?体調は大丈夫ですか?
  • 〔道順〕駅から迷いませんでしたか?
  • 〔時間〕弊社都合のお時間に合わせていただきありがとうございます。お仕事に支障はございませんでしたか?
  • 〔直近のニュース〕昨日は、日本代表勝ちましたね!ご覧になりましたか?
  • 〔趣味〕釣りがお好きなんですね?最近いつ行きました?


頻度:★ 採用面接で質問されなくなったが要注意な質問例

この章では、頻度は少なくなったものの、もし質問してしまったら大きな問題と成り兼ねない重要な質問例をご紹介します。ですので、代替質問例はありません。
一般常識として、認識しておきましょう。

<NG質問例>

  • あなたの本籍地はどこですか?
  • 生まれてからずっと現住所に住んでいますか?
  • ご両親の出身地はどちらですか?

cancel【本人に責任のない事項の把握に該当】cancel
本籍を質問することは、結果的に就職差別に発展する可能性があり、大変危険です。
同和問題や部落差別、在日外国人の排除と受け取られかねません。

この質問に関しては、意味を持たず代替の質問はありません。決して聞かないことです。

<NG質問例>

  • 信仰している宗教はありますか?それは何教ですか?
  • 神や仏を信じますか?
  • 支持する政党はどこですか?
  • 与党をどう思いますか?
  • 労働組合に入っていますか?どう思いますか?
  • 学生運動をどう思いますか?

cancel【本来自由であるべき事項の把握に該当】cancel
思想・信条、宗教、政治・政党に関することは憲法で保障されている、個人の自由権に関することであり、基本的人権の尊重する上で、採用選考に取り入れてはいけません。

【特別編】うつ病などの精神疾患の病歴について採用時に聞くのはアリか?ナシか?

うつ病などの精神疾患に関して、一般的に応募者を傷つけたくないという心理も働き、アンタッチャブルなタブー質問と認識されがちです。

結論から言うと、うつ病などの精神疾患の既住歴(いわゆる病歴)について採用時に確認するのはアリです。

雇い入れた従業員を解雇するのは、企業側には高いハードルがあるため、採用時には大きな裁量が認められています。
雇用する企業側としては、再発の危険を鑑み、精神的負担が大きい業務を回避や、業務時間の短縮など配慮した環境を準備する必要があり、既住歴について知っておくべきでしょう。

対面で聞きにくい、もしくは証拠として残したいという場合は文面で用意し、本人に書いてもらうのも良い方法です。

しかしうつ病などの精神疾患について、本人に自覚が無ければ入社前に確認をとることは難しくなります。
そこで採用選考には、対面の面接だけではなく、セルフチェックによる適性検査の利用をおすすめします。

当社の適性検査 Decider®は、人間の特性5因子論に基づいたシンプルな構造です。
たった5分の受検で、潜在している情緒不安定性(ストレス耐性)についても、しっかり見分けることができます。