即解決!営業職の職務経歴書で転職を成功へと導くたった1つの方法。

職務経歴書の書き方で年収が決まる?

転職活動をする際に、必ず必要になるのが「履歴書」と「職務経歴書」です。特に「職務経歴書」は決まったフォーマットもなく、何をどう書けば良いの?と手が止まりがちです。

正直、これまで何万人もの職務経歴書を見てきましたが、心トキメク職務経歴書に出会う確率は100分の1くらいです。
ただし、その違いは、キャリアの差ではなく、書き方の差だけなのです。

どんなにキャリアが素晴らしくても損している人もいれば、キャリアがうまくいっていなくてもしっかりアピール出来ている人もいます。
職務経歴書によって、転職の成功率が大きく変わり、ひいては年収が変わる可能性があると言っても過言ではありません。
しっかりとアピールできるように、一緒に練っていきましょう。

職務経歴書の目的とは ~履歴書と職務経歴書の違い~

まず、転職活動しようと思った時に多くの人が初めて目にする「職務経歴書」。
さて、「履歴書」と「職務経歴書」は何が違うのでしょうか?かんたんに比較しましょう。

  • 履歴書・・・現在と過去における基本的な個人情報を伝えるもの
  • 職務経歴書・・・過去・現在における業務遂行能力と今後のキャリア志向性を伝えるもの

1-1. 履歴書は転職理由・志望動機・自己PRが全て

履歴書は「基本的な個人情報」を書くもので、書き方で個人差が出しにくいものです。なぜなら、履歴書は事実を書くだけだからです。

そして、履歴書を書く時はとにかく正確に、間違えずに記載することが重要です。

意図せず書き間違えてしまったとしても、後々企業側が間違いを知ったら「採用取り消し」「解雇」などの処罰対象となる場合もあります。
履歴書はフォーマットの種類もいくつかありますので、自分の使いやすいものを活用してくださいね。

ただし、履歴書に転職理由・志望動機・自己PRを書く場合は、差が出ますのできちんとポイントを抑えましょう。

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1-2. 転職するなら職務経歴書にこだわれ

職務経歴書は自由度が高いため書き方で個人差が出る非常に重要な文書*です。
仮に同じ職務経歴の人が2人いたとして、それぞれが職務経歴書を書いて同じ会社に応募したとしても、書類選考の結果が異なる可能性があるのです。

では、職務経歴書はなぜ書く必要があるのでしょうか?

それは、採用する企業側が「自分たちが求めている経験・スキルを持っているか」を確認したいからです。お見合いや合コン、異業種交流会などで初対面の人と話す時にも「どんなことをやってきて、今何をやっているか」は聞きますよね。お互いのことを知る為に必要なんです。

なお、職務経歴書は書くだけでなく、それを見た企業人事は面接でもその内容について詳しく聞いてきます。
事前に整理しておきたいですね。

面接対策については「[転職面接はこれで完璧!基本的マナーとよく聞かれる質問・回答60選](../interview/99.md**」でも説明していますのでご覧頂ければと思いますが、まずは営業職の職務経歴書に必要となる基本項目をお教えします。

1-3. 職務経歴書全体の構成をまずは知ろう

まずは全体の構成からイメージだけでも掴んでみてください。

(文頭に)
1.職務経歴概要・要約
————————
(経験企業ごとに)
2.期間
3.組織体制
4.具体的な商材
5.対象顧客
6.営業手法
7.営業成績
8.具体的な行動内容
9.退職理由
————————
(末尾に)
10.活かせる経験・知識・技術(スキル)
11.保有資格
12.自己PR

項目の羅列を見ていると、それだけでもう心が折れそうですね・・・こんなに書く内容があるのか・・・面倒くさいな・・・と。

しかし!何度でもお伝えしますが、「職務経歴書は、転職活動する上で最重要アイテム」です。

ここで改めて気合いを入れ直して、項目ごとにどのようなポイントを企業人事側がチェックしているのか見ていき、職務経歴書の対策やアピールの仕方を詳しく見ていきましょう。
まずは見本をお見せしますので、参考にしてみてください。

職務経歴書
20□□年□月□日 現在
氏名 ○○ ○○

【職務経歴概要】
大学卒業

【職務経歴】
20××年4月~20■■年9月(4年6ヶ月)  株式会社△△△△<
〔事業内容〕食品卸売商社(輸出入あり)
〔資本金〕8,000万円  〔売上高〕1,250億円  〔従業員数〕1,050名

20××年×月~20●●年●月
東京支店 レストラン営業部
〔担当商品〕レストラン用輸入食材、酒類、調味料、キッチン用品、食器類
〔担当顧客〕関東エリアの個人レストラン、チェーンレストラン 約150社
〔営業スタイル〕新規:既存=1:4 新商品提案、メニュー提案、ニーズのヒアリング

個人部署
20××年度 売上予算 売上実績  達成率
3000万円 2480万円  83%
売上予算 売上実績   達成率
2億5000円 2億56000万円 102%
20▲▲年度 売上予算 売上実績  達成率
5000万円 5100万円 102%
売上予算 売上実績   達成率
2億7000円 2億85000万円 106%
20●●年度 売上予算 売上実績  達成率
6000万円 6660万円 111%
売上予算 売上実績   達成率
3億円 3億1150万円 104%

職務経歴書は点取りゲーム ~減点防いで加点狙ってLet’s try~

前章で履歴書と職務経歴書の違いを書きましたが、実際に書類選考で重視されるのは圧倒的に職務経歴書です。
第一関門である人事部門の書類選考を、職務経歴書でしっかりアピールしてクリアしていきましょう。

まず念頭に置いて欲しいのは、職務経歴書は点取りゲームということです。このことを意識するかしないかで、出来上がりに雲泥の差が生じます。

心の底から書類通過したいときには、見直しプロセスに手をかけることも大事です。
見直しのポイントは、書いたあとに一度寝る、つまり翌日または昼寝のあとに読み返すことです。
企業と同じ目を持つには、疲れた頭ではNGなのです。経歴書を書くとき、誰しも見えないダメージを受けています。

人事や営業マネージャーは頭の中で自動的に加点・減点をして職務経歴書を読み進めています。これは明確に計算式を持っているというわけではありません。
つまり、どこで加点されて、どこで減点されるのかがわかれば攻略できるということですね。

特に加点ポイントは少ないので、しっかり狙い打ちしましょう。
では、次から項目ごとに加点を狙うか、減点を防ぐかということと、書く時の注意点をお伝えします。

1.職務経歴概要・要約(加点を狙おう)

その名の通り”概要”ですので、2~8の内容を簡潔にまとめてアピールしましょう。
文書の頭に来る部分なので、最初に人事が目にする部分です。文書全体の印象を決めてしまう重要な部分ですので、この項目は加点を狙いましょう。
細かい数字は後でアピールできるので、商材・対象顧客・営業手法を軸に、自分が工夫した点を盛り込むことで加点を狙います。例えばどんな事が内容に盛り込めるかと言うと、部署の営業スタイルとしてインバウンドでリードを獲得するスタイルだったが、商談した後に必ず他の人・企業を紹介してもらって独自のルートを築いた、などは良い例です。

もちろん、もっと小さい事でも構いません。
1件ずつのお客様を大事にし、毎月手書きの手紙を書いたなどなど、自分がこだわったことをシンプルに書けば十分に伝わります。ただ、あくまで冒頭部分ですのであまりこってりと書くのはマイナスになってしまう可能性があります。文字数は250~300文字くらいに収めておくと良いでしょう。

2.期間(減点を防ごう)

企業の在籍期間を大本に書きます。詳細内容の中に、部署の在籍期間やチームの在籍期間など、環境が変わった場合には常に書くようにしましょう。
なるべく和暦・年号表記ではなく西暦表記にした方が親切です。
西暦はどの時代でも共通している数字なので、計算しやすく伝わりやすいためです。ただ、どうしても年号表記が好きだという方は、年号表記でも構いません。

なお、何回か転職をしている場合や卒業時にすぐに就職しなかったなど、空白の期間がある人もいるかと思います。1,2ヶ月であれば、転職活動や就職活動をしていた・休息に充てていたなどを企業人事は想定し、面接で質問されることも少ないですが、3ヶ月以上の空白期間がある場合は多くの企業人事が気にします。空白期間が長い場合の多くは辞める理由と直結しているので、転職理由・退職理由を書いておくと良いでしょう。

例として、1社目で法外な勤務時間が長期間に渡ったことで身体的・精神的に勤続が難しいと考えて退職、そして半年の充電期間と転職活動を経て2社目に入社したという場合。この場合は、1社目の記載の末尾に転職理由を書いておけば、半年期間が空いていた事情は普通の企業人事であれば推測がつくでしょう。また、最近では近親者の介護のため帰郷という話も増えてきています。全うな理由で退職してたまたま期間が空いただけなのに、そこに触れていないことで企業人事側に余計な憶測を呼んでしまったり、期間が空いているだけでNGにしてしまう安易な企業もゼロではありません。損をしないためにも、堂々と書いておいた方が良いでしょう。

異業種への転職の場合は、「[営業職で異業種への転職。成功する秘訣とは](../sales/128.md**」も参考にしてください。

3.組織体制(減点を防ごう)

企業の情報はもちろん、自分が所属した部署やチームの情報を盛り込みましょう。
企業情報では、「事業内容」「資本金」「売上高」「社員数(従業員数)」「上場or非上場」の項目は押さえます。企業規模によって、期待する経験やスキルの内容が異なるためです。これらの項目については、会社ホームページから情報を取得すればOKです。

なお、部署情報は具体性が必要ですので、下記のような内容で記載しましょう。
【所属】営業1部 第1課
【メンバー】課長以下メンバー8名
【役職】メンバー

係長やリーダーといったポジションの場合は、「係長 部下4名」という表記で問題ありません。
この項目は、自分が所属した組織の情報を相手に伝えることが目的ですので、書き損じないようにしましょう。

4.具体的な商材(減点を防ごう)

あえて”具体的な”と入れたのは、何も知識の無い人に伝える気持ちで書いて欲しいからです。
たとえば、「シューズ類」と書いてあっても、どんなシューズなのかわからず、どんな売り方をするのかがイメージつきにくいですね。
基本的には高校1年生に教えるくらいのつもりで書きましょう。著名ブランドを持つ大手企業なら一言書いてあるだけでわかるかもしれません。

企業むけの商材の場合には、顧客が期待している主な機能も一言説明しておいた方が良いでしょう。
伝えることは営業の基礎スキルであるため、面接官が「説明がなかった。コミュニケーション能力なし」と捉えると始まる前に終わりかねません。

5.営業成績(加点を狙いつつ減点を防ごう)

ここは、企業側のニーズを充足することで減点は防げます。
営業成績が悪い=減点にせずに加点に変える魔法(後述します)もあるので、恐れずに以下のポイントは必ず実態に沿った数字を書きましょう。
まず売上予算 売上実績/予算達成率。これはセットです。ただし公開情報ではないので、書くとしてもデフォルメは必要です。職位が上がるほど機密の取り扱いの適切さも評価に入れられるため、話にとどめる工夫も必要になるでしょう。

①年度ごと②金額(可能なら件数も)③個人④部署(もしくはチーム)で書いてあると、社外の人でもおおよその想像が出来ます。

例えば、

個人 部署
年度   売上予算 達成率 売上予算  達成率
2015年 6000万円 110% 3億円 105%

という感じです。

最もよくない職務経歴書は、「数字が何もない」ものです。
業績を書けない場合には、活動件数を書くなどの工夫が必要です。

営業は、数字にこだわる・数字にコミットすることが大切なはずなのに、数字がない・・・この時点でほとんど書類選考でNGとなります(万が一通る企業があったら、それは恐らく誰でも良いのでしょう)。最も多い失敗例は、数字があっても個人の売上実績数字しかなく、「売上予算がない」「会社・部署・チームの実績はどうだったのかわからない」というものです。特に後者の「会社・部署・チームの予算&実績」は書いている人が少なく、指導してくれる人も少ないようです。
しかし、実際に客観的に上記例を見てみるとどうでしょうか?
どの業界のどんな会社かはさっぱりわかりませんが、「少なくとも部署の中では、営業成績を出した優秀っぽい人」であることは、パーセントを習ったばかりの小学校高学年ですら一目瞭然でしょう。

もちろん売上予算達成をしている方が、転職希望先の企業側の人事や営業からも評価は得やすいのは当然です。しかし何度もお伝えしますが、自分のことを全く知らない人に自分の業務遂行能力を伝えるのが職務経歴書の目的です。仮に部署の中で成績が悪くても、結局面接で確認されるわけですから書いておいた方が良いでしょう。

5.営業成績(振るわない成績も加点に変える魔法!)

さて、営業成績が良ければ加点、営業成績が悪ければ減点としてどうしても捉えられてしまいますが、ボーナスポイントを取ることでどんな人でも加点を取るスーパーウルトラC(古い?)があります!

それは、単年度ごとに、振り返りを書くことです
むしろ、ここが最も重要と言っても過言ではありません。
数字は営業として表現するのに必要最低限の情報として、絶対に必要です。そして、数字が良ければ「おぉっ!」と評価する単純な人もいるでしょう。でも考えてみてください。この数字、本当の数字かどうか誰がわかるのでしょう?やろうと思えば、誰だって予算を下げるか実績数字をかさ増しして、予算達成にしてしまうことも出来てしますのです(当然ですが、決してやってはいけません!いつかはボロが出るので嘘ついても損するだけです)。だから最も大事なのは、本当の数字を書いて、その年の振り返りとしてどう思い、次の年にどう行動を変えたか、そしてどういう実績を出すことが出来たかが最も大切なのです。

誰だって失敗はあるものです。その失敗を自分の中でどう受け入れ、どう消化し、どういう次の一歩を踏み出したか。その力が本当の営業としての力なのです。

数字はいくらでも鉛筆を舐めることが出来てしまいますが、PDCAをどう回したかは、嘘のつきようがありません。ですから、この営業成績の項目では、本当の数字をわかりやすく相手に伝え、各年ごとに自分の振り返りと翌年へのアクションを書いておきましょう。そうすると、仮に営業成績が悪い年があっても、その振り返りがきちんと出来ていれば、見る側は肯定的に捉え、ボーナスポイントをグッと稼ぐことが出来ます。

職務経歴書は、ちょい盛りがポイント(数字のちょい盛りはNG)

これまで、職務経歴書の必要性・重要性や、人事のチェックポイントとその対策をお伝えしてきました。細かいテクニックは、キャリアコンサルタントとの面談の際に個別にお伝えしていきたいと思いますが、最もお伝えしたいのは、ちょっと盛ろうと思うことです。んんっ?と思った方、ごもっともです。でも、もう少し話を聞いてください。

まず職務経歴書を書く時は、1.思い出したり、調べる 2.書き起こすという流れで行うことはイメージできましたよね。そうなんです、必ず「思い出す、調べる」ことが必要なのです。
ここが最もネックなのです。職務経歴書を書く時に、本当は頼りにしたい上司や同僚はアテに出来ません。本当に親密な関係な人がいれば、相談相手として聞くことも可能ですが、長年ずーっと見てくれている人がいることは希少です。つまり、自分で思い出して調べる必要があるのです。この時に、期間ごとに項目を1つずつ杓子定規に思い出して書いても内容が薄くなりがちです。

何とかちょっと盛って書けないかなと必死に思い出すことが大切です。組織人としての影響力に関する内容があると、非常に有効です。
部長が気づかないことやすぐに忘れてしまうことを、丁寧に拾い上げていくタイプなのか、それともチームが尻込みするような新規商材や新規エリアに切り込み隊長として飛び込めるなど、自分では当たり前と思ってやっていたことかもしれませんが、スポットライトを当ててみると他人には眩しく見えることが意外と存在しています。

ちょっと盛ってみようと思って、自分の普段の行動や思考性を振り返ってスポットライトを当ててみましょう。
思わぬ自己PRができると思いますよ。