転職面接はこれで完璧!基本的な日程調整やマナー・服装とは

転職面接で言ってはいけないこと、やってはいけないこと。
事前に知らなかったというだけで面接で失敗して不採用・・・そんなもったいないことは避けたいですよね。

面接対策は事前準備がすべて。
そして、社会人としてのマナーとちょっとしたテクニックさえ押さえていれば、選考の通過率は必ずあがります。

そこで、本記事では元人事責任者である私が企業側の視点から、面接で成功するための基本中の基本からよく聞かれる質問を攻略するためのちょっとしたコツまで、こっそりお教えしたいと思います。

※ 面接対策まとめは 「【元人事責任者が教えます!】面接対策―質問・回答集から学ぶ極意―」

目次

1.面接前から勝負は始まっている!準備は万全に

2.いよいよ本番。面接当日の注意点

3.面接では印象形成がすべて!好印象を与えるコツ

4.面接が終わっても、選考はまだ続く。面接終了後に確認・対応すべきこと

5.まとめ


1.面接前から勝負は始まっている!準備は万全に

1-1. 面接の日程調整は企業側と相談して確実な時間で設定しよう

働きながらの転職活動の場合、平日、特にビジネスアワー中にはなかなか時間が取れずに日程調整が難航することもありますよね。
そんなときは、土曜日や日曜日、平日の夕方以降でも面接が可能かを企業側に確認してみましょう。
企業によっては融通が効き、柔軟に対応してもらえることもあります。

自分の希望を伝えるのを遠慮するあまりに無理をしてスケジュールを組み、当日変更を願い出るハメになる方が余程失礼にあたります。
ただし、もちろんあまり一方的な要望はNGですよ。

なお、日程調整等のやり取りをエージェントを介さずに企業との間で行う場合、就業中の会社のメールアドレスは使わない方がベターです。
個人のメールアドレスを利用し、署名にも会社名は出さず個人名で送りましょう。

1-2. 面接時の服装は年代・性別ごとに変えて

男性はスーツ、女性もスーツまたは最低限ジャケット着用で。
カジュアルな社風で先方から「私服でお越しください」という指示があればそれに従うのも問題ありませんが、一般的な社会人のマナーから考えて逸脱しないようにしましょう。

服装など外見上の問題で選考が通過しないことは非常にまれですが、服装やマナー面は基本的に減点方式で見られます。
そこでマイナスイメージを持たれるのはもったいないので、清潔感のある常識的な格好を心がけましょう。

なお、年齢・性別によっても好ましい格好は異なりますので、下表を参考に面接に臨んでください。

<td>
  ・暑くても半袖はNG<br /> ・猛暑のときでもネクタイを着用したほうがベター
</td>
<td>
  ・リクルートスーツも可、白無地のシャツが無難<br /> ・秋冬でもタイツは避け、ストッキングもしくはパンツスーツで<br /> ・秋冬でもブーツはNG、指輪・ピアスは華美なものは避けて
</td>
<td>
  ・年齢的にリクルートスーツは避けたほうが無難<br /> ・インナーは清潔感のあるシャツもしくはカットソーで<br /> ・秋冬でもタイツは避け、ストッキングもしくはパンツスーツで<br /> ・秋冬でもブーツはNG、指輪・ピアスは華美なものは避けて
</td>
男性/全ての年代
女性/20代前半
女性/20代後半〜

1-3. 面接当日の持ち物は4点セット。
履歴書と職務経歴書はどんなときも必須!

写真付き履歴書、職務経歴書、メモ用紙、筆記用具の4点が必須です。
特に、履歴書、職務経歴書は必ず準備していきましょう。事前に指示がなくても応募者が持ってくるのは当然と思っている採用担当者もいます。また、転職エージェント経由で履歴書、職務経歴書が先方の企業に既にわたっていても、面接の場面で提出を求められるケースもあります。


2.いよいよ本番。面接当日の注意点

2-1. もう見られています。面接会場へは5分前到着がベスト!

会場への到着時間は、面接開始時刻の5分前程度がベスト。
遅刻が厳禁なのは当然ですが、あまり早すぎるのも忙しい相手からすれば迷惑。常識を疑われかねませんのでどんなに早くても10分前くらいに入館するようにします。

面接日に会場に到着したら、エントランスに入る前に身だしなみを整えましょう。
冬場はコートやマフラーなどを入館する前に脱いでおきます。
入館したら、受付で個人名を名乗った上で面接で来訪した旨を伝えます。先方担当者の名前が事前に分かっている場合は「〇〇様宛に」とあわせて伝えましょう。

2-2. 入室時のマナー ~ノックは3回です~

さあ、とうとう入室です。
<受付担当者などに面接室へ事前に通される場合>
室内の指定された位置に着席して待ち、面接官が入室してきたときには立ち上がって挨拶をします。
<面接官が先に入室して待っている場合>
ドアを3回ノックし、面接官から入室を許可する声が聞こえたらドアを開け、入り口で氏名をはっきりと告げた上で室内へ。
面接官が着席を促したら用意された椅子に座ります。

どれも細かい話ではありますが、社会人としてはこれができて当たり前。
無駄な減点とならないよう、気を引き締めて臨みましょう。

2-3. 面接官との名刺交換は基本的に不要

転職面接では、面接官と名刺交換をする必要はありません。
ただし、ごく稀に面接官から名刺を渡されるケースがあるため、準備だけしておくに越したことはありません。なお、離職中の方は前職の名刺を使うことは絶対にNGですので間違っても渡さないようにしましょう。

仮に名刺交換が行われる場合には一般的なBtoBの商談と同様に、あなた自身が先に名乗り、相手の名刺の高さよりも下の高さで交換することを心がけます。

2-4. 面接の所要時間は30分~60分程度がメジャー

一般的に面接時間は短い会社で30分程度、オーソドックスな会社で60分程度です。より深掘りをし様々な観点から質問をしてくる企業では90分程度かかる場合もありますので、面接後の予定が気になって面接に集中できない、なんてことがないようにあらかじめ選考を受ける企業に目安の時間を聞いておくようにしましょう。

2-5. 面接開始後30秒で印象は決まってしまう!
良い第一印象を与えるには

採用担当者と顔を合わせた瞬間からあなたの印象は作られ始めます。
一番初めのあいさつに始まり、ちょっとしたアイスブレイクの世間話の間もすでに見られている、ということを意識しておきましょう。

・立って挨拶をする
・はきはきしゃべる
・笑顔で対応する

といった基本的なことから注意するように。

当たり前のことができなかったがために悪印象を持たれながら面接をすることは、当然選考の通過の可能性を落とします。
ただし、逆に少し意識をするだけで良い印象を持ってもらうことができ、話が弾んで面接が上手くいくということもあるのです。少しの意識の差が合否の分かれ目になることもある、ということを頭に入れて面接に臨んでもらえればと思います。

なお、面接中の印象形成については、次章「3.面接では印象形成がすべて!好印象を与えるコツ」で詳しく説明していますのでご覧ください。

2-6. 自己紹介は1分、自己PRは3分以内にまとめて。
企業が求めている情報にしぼってアピールしよう

自己紹介はこれまでのあなたの経歴のみを話すもの、自己PRはあなたのこれまでの仕事の成果やアピールしたいスキルを話すもので、厳密に言うとこの2つは別物ですが、いずれも企業が求めている内容を話すべき、という点においては同じです。
企業はあなたが自社にとって有益な、貢献してくれる人材かどうかを判断しようとしているのであって、あなたの趣味の話やただの自慢話を聞きたいわけではありません。どんなにフランクな面接官であってもこの前提は忘れてはいけません。

自己紹介であればこれまでの経歴をせいぜい1〜2分程度、自己PRでも3分程度で終わらせるように心がけましょう。
特に自己PRは出来れば多くの情報を面接官に伝えアピールしたい気持ちが先走り、一方的に話し過ぎてしまいがちです。
長くなりすぎて面接官に嫌気が差し、面接が台無しになってしまわないよう、事前に予行演習をしてだいたいの所要時間を把握しておくことをお勧めします。
仮に転職回数が複数ありどうしても長くなってしまいそうな場合は話を始める前に、長くなってしまうことを伝えてから始めるとよいでしょう。

なお、自己PRは職務経歴書にも書かれている内容ですが、「職務経歴書にも書きましたが・・・」などという前置きは不要です。言い方によっては相手に対して失礼になりますので気をつけましょう。

自己紹介・自己PRの作り方、伝え方については下記記事を参考に!
※ 自己紹介・・・「 面接の「自己紹介」で話すべきポイントと伝え方のコツ 元採用責任者が徹底解説
※ 自己PR・・・「 転職面接の自己PR 名回答・珍回答集~名回答の作り方~


3.面接では印象形成がすべて!好印象を与えるコツ

さて、先ほど第一印象が入室後30秒で決まってしまう、というお話をしましたが、面接では受け答えの内容のほかにも、受け答えの仕方からあなたのキャラクターと趣向性が見られています。
技能やスキルよりも人物特性を重点的に見る企業の場合は特に、面接での印象形成がすべてを決めるといっても過言ではありません。

また、面接冒頭のアイスブレイクのための会話の中からすでに面接官はあなたのキャラクターを測りはじめており、それは受け答えとして言葉にして話をした内容(=バーバルコミュニケーション)ではなく、ほとんどが表情やしぐさ、声のトーンなどのノンバーバルコミュニケーションによって見られているのです!

そんなわけで、印象形成は面接で成功するためのとても大切な要素です。
それでは、具体的にどんな点に注意すべきか、以下にまとめてみます。

3-1. 入室した瞬間の第一印象が8割

入室した瞬間に、あるいは長くてもその後数秒で、面接官の中でのあなたに対する第一印象が決まります。

このときに与える印象は非常に重要です。
なぜなら、人事の視点から見れば、その印象はあなたが初対面のお客様に与えることとなる印象そのものだからです。
そして、人は第一印象をもって「その相手と話をしたい」と思えるか否かも無意識に判断してしまうものなのです。

好印象を与えるためには、基本的なことではありますが、やはり清潔感のあるきちんとした身だしなみ、てきぱきとした動き、そして明るい表情で相手の目を見て話をすることです。
つまり、面接を乗り切るコツは、テンション高く臨むこととも言えます。

3-2. 緊張しすぎはNG!はやめにほぐそう

転職となれば今後の人生を左右する重要な局面でもあり、誰でも多少は緊張するものです。
(逆に、緊張感が全くないのも考え物です)

相手が緊張しているな、と面接官が感じれば、人によっては緊張をときほぐすための会話を少し長めに引き延ばしてくれる場合もありますが、それでも緊張がほぐれる様子がない場合や、あまりにもガチガチに緊張してしまっているような場合はプレッシャーに弱い、あるいは単純にコミュニケーションが苦手、と判定されてしまいます。
その後の受け答えにも影響するので、長くても冒頭10分くらいで緊張がある程度解けるようにしましょう。

緊張を解きほぐしやすくするのは何と言っても入念な面接準備に限ります。想定される質問に対する回答を準備していくことはもちろん、対面で人と話すことが苦手な方はStar転職のコンサルタントを使った面接対策など出来うる限りの準備をしていきましょう。

3-3. 背伸びせず、しゃがまず。ありのままの自分を語ろう

企業側の人事は、面接を通じてあなたのキャラクターと趣向性を把握することで、「うちの会社に合うかどうか」を見定めようとしています。
なぜなら、会社の中で活躍する人材というのはまず間違いなくその企業とのマッチングがうまくいっている人材で、当然のことながら企業側は自社に合う人材を求めます。逆にいえば、企業との間でミスマッチがあった人材はその職場に長く居続けることができず、活躍できる前に辞めてしまうことがほとんどだったりします。

だからこそ、面接全体を通じて「ありのままの自分」を出すことはとても大事です。
採用されたいあまりに背伸びをして、実際に入社したら「何かが違う」というのはお互いに不幸です。
また、逆に必要以上に謙遜するのは自分の評価を下げ、採用される機会を逸してしまうことにもなりかねません。
何事も相応の自信をもってありのままの自分を語ることが、面接だけでなく入社後の顛末も左右することを忘れずに挑みましょう。

3-4. 会話のテンポを相手に合わせられるか

面接官は初めて会うあなたと2言3言の言葉を交わすだけで、あなたの会話のテンポを測り、その時点ですでにあるジャッジを下しています。

質問をしてから答えるまでの「間」。
話す速度(早口であるか否か)。
質問者が回答として期待する答えの分量。

とても概念的な話ではありますが、これらが「心地いい」と感じるか否かというのは、まさにコミュニケーションの本質なのです。
誰しも、話をしていて会話のテンポが合わない人とは、どこか違和感があって居心地が悪くなったりしますよね。
面接官との会話のテンポを合わせられない人は、お客様にも同じように「会話がしづらい」と思わせてしまうかもしれません。
逆に、コミュニケーション上手な人はどんな相手とでも相手のテンポに合わせて話すことができます。

面接では、相手が自分のペースを測ると同時に、自分も早い段階で相手のテンポを掴み、相手に合わせた会話ができるように意識しましょう。

3-5. 会話を広げることができるか

面接官からの質問には、実はクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの2種類があります。

クローズドクエスチョンは、
 ・「YES」か「NO」で答えられるもの
 ・選択肢の中から選んで答えるもの
などのように、回答の範囲が限定される質問を指します。

これに対してオープンクエスチョンは、いわゆる5W1Hで聞かれる質問です。
「何が」「どんな」「どのようにして」「なぜ」など、回答の範囲が限定されていないため、この時が自分の魅力を伝えるチャンスです。
クローズドクエスチョンの場合はいいのですが、せっかくのオープンクエスチョンに対しても全く会話を広げることができず、一言で返してしまう人はもったいないことをしています。

オープンクエスチョンからは、相手の求める回答を提供することができるかという点のほか、会話の引き出しの多さも見られているのです。
自分が主導するくらいのつもりで自分のキャラクターを見せる「引き出し」を駆使し、相手に自分の人となりを伝えましょう。

3-6. 素直に自己開示できるかどうか

面接の中で、隠し立てすることなく自己開示できるかどうかも重要な要素です。
何か隠しているな、何かを上辺でごまかそうとしているな、と思われるような受け答えをしてしまいがちな場面もありますが、特に退職理由など多少ネガティブな要素が出ざるを得ない場面でも素直に自分のことを語ることが大切です。

パッと素直に返すのか、くどくどと理屈をこねるのか、それともまともに答えようとしないのか・・・
面接官はこれを通じてあなたが信頼できる人間か、素直さのある人間かを見ていることを意識しましょう。

3-7. その他の印象形成の要素

「3-1. 入室した瞬間の第一印象」でも表情やしぐさ、外見上の印象形成についてはお話ししましたが、面接官が見ているところは他にもあります。
例えば、きちんと目を見て話すかどうかと同時に、語尾がしっかりしているかどうか。
しゃべり方に感情の起伏があり、それが相手に伝わるかどうか。
話すときの身振り・手振りが不自然なまでに大きいなど、「変わった」しぐさがないか。
広い意味では同じ「明るい表情」であっても、間が抜けていたりヘラヘラしていたりしないか。

このあたりは自分ではなかなかわからない部分でもあるので、家族や友人など、親しい人に意見を聞いてみましょう。
身だしなみも含め、外見上の印象はお客様に与える印象でもあるので、自分が見られることを普段から意識することが面接を勝ち抜く何よりのコツでもあります。

4.面接が終わっても、選考はまだ続く。
面接終了後に確認・対応すべきこと

4-1. 面接終了後の御礼メール
必須じゃないけどあれば好印象にも

採用担当者宛てに御礼メールを送ることは必須ではありません。
但し、御礼メールをもらって気を悪くする採用担当者はいませんし、礼儀正しいきちんとしたメールを送ることで好印象につながる場合もあります。手短かかつ簡潔に、面接を通じての感想とともに感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

その際はメールの件名を「本日の面接の御礼+名前」などとし、応募者個人の印象が残るようにした上で
・面接のお礼
・面接の感想
・面接で得た新たな興味関心
・志望度の高さ
を伝えるような内容になっていると採用担当者にも好印象になります。

4-2. 選考結果が出るまで一週間は待ちましょう

面接の結果については、スピード感のある会社であれば一両日中に結論が出る場合もありますが、他の候補者が同時進行で進んでいることもあるため概ね一週間程度で判断が出るケースが多そうです。

仮に一週間たっても何も音沙汰がない場合は直接、もしくは転職エージェントを通じて確認したほうが良いかもしれません。企業の採用担当者も多くの転職希望者を同時並行で進めていた場合、連絡が抜け落ちている・・なんていうケースも無きにしも非ずです。結果を踏まえて次のステップに進めるように合否の確認はきちんとしながら進めていきましょう。

4-3. 辞退の場合はできるだけ早く、丁寧に伝える

転職活動をしている中で、意中の企業から内定が出たために並行して受けていた会社は辞退したい・・・。
そんなとき、エージェント経由で選考を受けている場合にはエージェントから企業側に伝えてもらうという方法で問題ありませんが、直接企業とやり取りをしているような場合は正直言いづらいですよね。

気持ちはわかりますが、音信不通で音沙汰がなくなる、ということは絶対にやめましょう。ベストなのはできる限り早いタイミングで直接電話で連絡を入れ、辞退させて欲しい旨とその理由を伝えることです。
メールでももちろん問題はありませんがより丁寧な方法を選ぶことをお勧めします。

4-4. 内定を受け取ったあとは企業側の指示に従うこと。
前職からの円満退職もカギ

無事内定が出て、年収などの待遇面の条件交渉も終わった後には、入社日の調整や雇用契約の取り交わしがあります。
この雇用契約の締結の段階で、企業側から入社にあたっての必要書類が提示されますので、スピーディーに揃えましょう。せっかく入社が決まったのに書類を集めるのが遅かったりすると残念な感じになります。

なお、在職中の方の場合は、現職との退職交渉というハードルがあります。
転職先の企業はあなたの入社を心待ちにしているわけですから待ってくれるとしてもせいぜい2~3ヶ月が一般的でしょう。あなた自身もその間に現職の会社で業務の引き継ぎや取引先への挨拶など周囲の人に迷惑がかからない形で円満退職への段取りを組むことが必要になります。

5.まとめ

冒頭でお話ししたとおり、面接を勝ち抜くにはテクニックが必要です。
この記事を活用して準備を万全に、面接当日に備えましょう。

みなさまの転職が成功することを心より願っております!

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