営業女子・営業ウーマンの転職 成功の秘訣とは

自分の意思に関係なく、“まずは”で経験させられる営業職。経験出来たあなたは大ラッキーです。
営業職は、女性の強みを活かせる職種であり、踏み台にするにも向いている職種なのです(詳しくは 1-1 へ)。

営業職を女性として最大限活用する方法をここで、お教えします。

  2-1. 営業ではなく●●職に就きたい人
  2-2. 残業を1時間以内に抑えたい人
  2-3. 今のうちに稼ぎたい、給料を上げたい人

  • 3.他社営業(異業種含む)への転職のポイント
  • 4.営業から異職種への転職のポイント
  • 1.キャリアパスを考えよう

    実は、営業女子の最大の悩みが「キャリアパスがイメージできない、わからない」というもの。
    それは、長年「営業=男仕事」という風土があるためで、社内はもちろん社会的に理想としたい営業ウーマンが圧倒的に少ないためです。

    男性であれば、とにかくキャリアを積み上げるために邁進すれば良いのですが、女性ではそう単純なことではありません。
    特に日本では、年々解放されつつはありますが、まだライフステージの変化を女性に強いているのが実情です。

    ライフステージの変化を見据えた、自分らしいキャリアパスを一緒に考えていきましょう。

    1-1. ライフステージの変化を見据えて20代で身に着けるべきこと

    意図するしないに関わらず、日本ではライフステージの変化から避けて通ることは難しい状況です。
    年々、男性の家事・育児への参加率は高まってはいますが、日常生活においてほとんど変わりがないと言っても過言ではありません。

    総務省の「社会生活基本調査」(平成23年度)によると、配偶者のいる男性の家事関連時間は週にたったの47分!一方配偶者のいる女性の家事関連時間は週に5時間2分!
    これでも調査ごとに男女の差は毎回縮まってはいるのですが、それは雀の涙程度(数分程度)で、雲泥の差です。

    つまり、社会構造そのものの変化は期待出来ないわけですから、結婚・出産・育児と20代後半以降に訪れる可能性のある生活環境(ライフステージ)の変化を考えておく必要があります。
    ここが男性と最も大きな違いで、キャリアパスを参考に出来ない最大の要因です。

    結婚・出産・育児は、計画通りに行うことはかなり難しく、「備える・準備する」以外には難しいとされています。
    つまり、いつでもライフステージの変化があっても良いように20代のうちに準備しておくことが大切なのです。

    ライフステージが変化することで迫られること・・・それは、仕事に時間を割けないこと、職場環境を選ばざるを得ないことです。
    TPOに合わせた柔軟な働き方が必要になるのです。

    では、どのように備えれば良いのでしょうか?
    ---それは、ポータブルスキルを身に着けることに他なりません。

    ポータブルスキルとは、その名の通り「持ち運びできる能力・スキル」の意味で、業種や職種に関係なく、他の仕事内容や職場になっても通用する・活躍できる能力・スキルのことです。

    ポータブルスキルは、2種類に分かれます。
    1つ目は、専門性の高いスキル。主に資格や国家試験など明確な基準が設けられています。例えば、簿記試験やTOEIC、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、秘書検定などです。業界によって営業職に関係するものもありますが、もう一方がとても大切になります。

    2つ目は、明確な基準や測定が難しい能力・スキルなのですが、意識して成長しようとしているかどうかではっきりと分かれる能力です。
    例えば、現状把握力、課題設定力、計画立案力、プロセスマネジメント力、実行力、判断力、決断力、変化対応力という業務・実務寄りの能力。または、ニーズ把握能力(傾聴力)、クロージング力、リーダーシップ、部下マネジメント力など対人スキルと言われる能力もあります。

    特に2つ目のポータブルスキルを総合的に得ることができるのが営業職なのです。ですから冒頭で、営業職にいきなり就けたあなたは大ラッキーとお伝えしました。

    次の章で、ポータブルスキルを身に着けて、どういうキャリアパスを考えれば良いのか見ていきましょう。

    1-2. 労働集約型からの脱却

    「ライフステージの変化=仕事に時間を割けない、職場環境を選ばざるを得ない」と前章でお伝えしました。
    その結果、多くの女性は「非正規社員」や「時短勤務」「一般職」といった雇用形態に、必然的に就かざるを得ない状況が生まれているのです。

    これらの雇用形態に就いた当初は何とか年収を維持もしくは、配偶者(夫)の扶養控除枠に入る範囲で調整するということが可能でしょう。
    しかし問題なのは、これらの雇用形態は、いわゆる出世コースと言われる年収が上がるキャリアパスから逸脱してしまうことです(これは正論ではありませんが、事実として述べています)。

    毎年のように同じ時給もしくは50円アップというレベルの評価しかしてもらえないのです。残念ながら時給の決められた仕事をしていては、一生上がりません。
    子どもの学費や親の介護などで年々出費が嵩んでいく中、夫の収入アップだけでは辛くなる・・・実は、上記雇用形態を選んでしまうと、生活が苦しくなる一方で負のスパイラルの始まりなのです。

    では、就労時間に制限がある中で、どうすれば収入に困らずに生活できるのでしょうか?

    条件の1つは、前章に挙げたポータブルスキルを身に着けること。これは非常に重要です。
    その上でとるべき行動は、労働集約型の働き方から脱却することなのです。

    成果主義が2000年以降、流行として導入されましたが、2010年代から、年功序列や終身雇用を見直す向きも強くなりました。日本古来の風土や文化はそう簡単には変わらないということでしょう。

    同様に、未だに労働集約型の企業や業界が多く見られます。これも残念ながら高度成長期を経て、日本の文化となってしまっているように見られます。
    だからこそ自分の意思で、時間単価の高い働き方が出来る環境・ポジションをきちんと狙っていく必要があります。

    狙い方、キャリアパスの作り方を次章でタイプ別にお伝えします。

    1-3. あなたに適したキャリアを考えよう

    《活動型》
    自分のアクション数で、成果が決まるタイプです。いわゆる一般的なイメージの“営業”が得意なタイプです。
    このタイプの人は、営業関連業務に携わることをおすすめします。無理に、事務系仕事や管理系仕事をやろうと思っても、あまり向いていません。長期的な目で成果を考えると営業関連の仕事に従事することで、収入はアップします。
    20代のうちにたくさん活動してスキルを上げて、30代で業界を定め、40代で適性業界・商材で活躍するストーリーが良いでしょう。

    営業の成果は、「(1.接触件数)×(2.成約率)×(3.顧客単価)」ですよね。これを一定に保つか、さらに成果を上げる計算をすれば成功の方程式が見えてきます。

    ライフステージが変わると、労働時間が減ってしまう訳ですから(1.接触件数)を減らさざるを得ません。
    ですから、残り2つの(2.成約率)と(3.顧客単価)を上げることで、収入アップが見えてきます。

    (2.成約率)は、個人スキルも大きいですが、その企業が保有しているブランド力や商品・サービス力も絶大の効果を発揮します。(3.顧客単価)に至っては、自分の力で何とかなるものではありません。
    つまり、個人スキルをいかに発揮するかよりも、企業ブランドや企業の商品・サービスを吟味して稼げそうな企業で勤めるのが成功への道となるでしょう。

    外回りに縛られなくても良いです。最近では、アウトバウンドのコールをかける営業代行会社も増えてきました。ポータブルスキルである、営業スキルが身についていれば、対面でなくてもその力を遺憾なく発揮できるでしょう。

    《傾聴型》
    相手のニーズを聴き出すことが得意なタイプです。脳科学的にも、女性に最も多いタイプです。
    女性営業のイメージが強い、人材紹介業や人材派遣業、求人広告事業はもちろんのこと、信頼関係の構築が成否を左右する、生命保険業や不動産業、金融証券などが非常に適性があります。
    30代、40代と年齢が上がると、経験・知識の面と見た目の面から信頼感が高まり、成果が上がりやすくなります。

    特に個人事業として動ける生命保険は、ライフステージの変化にも対応しやすく、時間単価としても稼げる仕事になるでしょう。
    ライフステージの変化を見据えたキャリアパスとして、マーケティング職と管理職をおすすめします。

    この2つの職種は、成果によって評価される向きが強く、長時間働けば良いというものではありません。

    営業で得た、業界知識や顧客視点と、客観的な情報から解を導くマーケティング職。営業職からのキャリアパスとして、経験・スキルを遺憾なく発揮できるに違いありません。
    情報収集力や読み取る力(分析力)、構築力なども必要になるので、きちんと身に着けるべく鍛錬しましょう。

    管理職も同様に、現場で鍛えた基本的な業界知識や顧客情報をベースに、部下マネジメントスキルを鍛えることで、活躍できます。傾聴力があるため、社長以下役員の話を聴くこともできますし、部下の話を聴くこともできるため、お互いのよき理解者となり、信頼されるマネージャーとなれます。聴きすぎるあまり、ブレないように気を付けましょう。

    《頭脳型》
    その名の通り、複雑な高度な課題解決が得意なタイプです。営業職では、企画提案型の営業スタイルが適していますが、市場としてそう多くはありません。世の中で提案型と言われている営業のほとんどは、傾聴型の営業スタイルです。
    営業職はそこそこに、経営企画や事業企画、商品企画といった企画職や管理職といった頭を使う業務に向かった方が力を発揮できます。
    経営企画への転職はこちらを参考にしてみてください。

    もしコンサルティング業界に興味があるのであれば、20代のうちに卒業しておきましょう。時間単価は決して高いとは言えず、労働集約型の最たる例かと思います。

    転職ではないのですが、頭脳型の人は起業するのも1つの選択肢です。

    2.転職活動その前に

    転職活動を視野に入れている人に対して、相談に乗る前提として必ず質問していることがあります。

    それは、現職(前職)で、その想いは叶えられませんか?もしくは叶えようと努めましたか?という質問です。

    日本人の美徳なのでしょうが、特に自分の事となると主張をしない、出来ない人が多く見られます。しかし、良いことは何1つありません。現職の会社に対してきちんと要望しないと、「勝手に組織に不満を感じて勝手に去る人」というレッテルを貼られてしまうのです。

    ではどんなことでも、会社に要望して良いのでしょうか?
    ⇒構いません。それが、あなたが本当に望むものであれば、要望は出すべきです。それが、個人的な我儘だとしたら、そう諭されるでしょう。そこで気づけば良いのです。会社側も考え直して、体制や仕組みを変えるかもしれません。

    特に女性に関するよく挙がる転職理由について、ここでは、転職活動の前にして頂きたいことを説明します。

    2-1. 営業ではなく●●職に就きたい人

    特に事務職(営業事務含む)、商品企画職、マーケティング職が人気です。会社にそのポジションが無いのであれば仕方ないですが、必ず異動を申し出ましょう。

    未経験職種への転職は、そう簡単なものではありません。

    どの仕事をするにも、マーケティング用語の3C分析で言う「Customer」(市場・顧客)、「Competitor」(競合)、「Company」(自社)は前提情報として必要になります。
    転職すると、どんなに頑張っても自社情報は失います。最悪、3つともゼロから収集する必要もあります。

    2-2. 残業を1時間以内に抑えたい人

    まずは自分の働き方に問題がないか、見つめ直しましょう。同僚に相談すると客観的な意見がもらえるかもしれません。組織や上司など人の問題であれば、訴えましょう。会社としても取り組むべき課題であれば、変わるかもしれません。

    キャリアパスを考えた時に、労働時間を管理することは大切です。意図しない長時間労働型の環境は避けるべきです。営業職でも、自分の裁量で働ける環境はたくさんあります。現職の環境で難しければ転職活動に踏み切った方が良いでしょう。

    2-3. 今のうちに稼ぎたい、給料を上げたい人

    最も日本人が苦手とする交渉です。プロスポーツ選手でも代理人を使うケースが増えているように、直接自分の給料を上げて欲しいとは言いにくいものです。(日本人の美徳がそうさせているむきもありますが)しかし、現実では男性よりも、先を見据えて切実に感じている人が多く見受けられますが、会社への主張の方法はあります。

    例えば
    「今年収300万円ですが、30歳になるまでに年収400万円にはしたいと思っているのですが、どうすれば実現できるでしょうか?」と査定の時に直接聞いてみるのも一つです。
    その答えが「うちでは、30歳で年収400万円は例が無いからなぁ」というように、会社側(上司)が白旗を上げるようであれば可能性はゼロなので、今すぐ転職を考えて良いでしょう。

    女性の場合は、20代で次々に判断をして行動をする必要がありますが、勢いに任せては30代40代でイメージしていた生活とはかけ離れたものになり兼ねません。
    「準備・計画は慎重に、行動は大胆に」を心しましょう。

    転職までの準備が整ったら、いざ実行です。3章では営業職への転職、4章では異職種への転職のポイントについてお伝えします。

    3.他社営業(異業種含む)への転職のポイント

    ポイントはただ1つ。
    あなたが、なぜ営業職にこだわるのか、ライフステージの変化が起こった時の考え方をきちんと整理して真っ先に伝えましょう。

    あなたにとって「ライフステージの変化」は避けようのないものですが、雇用する企業側にとっても「ライフステージの変化」が起こるのか起こらないのか、いつ起こるのかが常に不安要素となります。
    特に営業職は、ライフステージの変化に弱い職種のため、女性を避ける傾向もありました(現在進行形の企業や業界も多い)。

    いくら営業スキルが高く、売上を作れそうな人でも、来月いなくなるかもしれない人は雇えません。

    プライベートな内容のため、企業側は質問しづらく、場合によっては企業コンプライアンスを疑われてしまうリスクすらありますが、100%気にしています。
    自分の考えやスタンスをオープンに、自ら伝えることで、信用度が上がります。

    その場合に、「結婚(妊娠、出産)したら辞めようと思っている」という人は、営業への転職は止めましょう。
    転職面接の時に、
    企業側から「仮に妊娠したらどうするつもりですか?」
    と質問された場合に
    パターンA:正直に「辞めて専業主婦になろうと思っている」⇒選考でNGに。
    パターンB:面接なので嘘をついて「産休をとって復帰しようと思っている」⇒入社できるかもしれないですが、妊娠した時に大炎上
    とあなたにとってメリットゼロです。

    採用する企業側として期待したいスタンスは、
    ・それまでに管理職に上がって、マネジメントスキルで貢献したい
    ・営業職では難しいかもしれないが、営業事務や企画職として復帰して貢献したい
    ・親と同居なので育児の心配ないため、変わらず営業として貢献したい
    といった、あくまで雇用してもらう会社に貢献し続けたい姿勢をアピールすると良いでしょう。

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    異業種への転職は、「営業職で異業種への転職。成功する秘訣とは」を参考にしてみてください。

    4.営業から異職種への転職のポイント

    事務職や商品企画職、マーケティング職やコンサルタント、アドバイザー、研修のファシリテーター、デザイナーなど多岐に渡りますが、営業から異職種への転職は、最大のニーズとして存在します。

    大前提として、職種を変えたいのであれば業種・業界は変えないでください。
    ポータブルスキルがあると言っても限界があります。職種か業界の知識は必要です。

    その上で、異職種への転職のポイントは
    希望している職種への想いと、その職種とあなたの接点、成果が出せる裏付けです。

    成果が出せる裏付けは、 転職における自己PRの記事 が参考になると思います。

    ここでお伝えしたいのは、職種への想いとあなたとの接点についての考え方です。

    希望する職種への感情的な想いは、溢れ出ると思うので特にアドバイスはありません。口頭で説明する場合に、冗長にならにように気を付けて欲しいくらいです。

    熱い想いだけではなく、「会社に属して長く働きたい想い」をきちんと伝える必要があります。
    そのためには、来るべきライフステージの変化を見据えて、自分がどのように働きたいか・自分のキャリアパスを説明することでわかりやすくなります。

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