知的好奇心の低さは、想像力の乏しさを示す性格類型です。 「幼稚」「軽はずみ」「忘れっぽい」「権威指向」といったキーワードセットで表現できます。
ビッグ・ファイブは大多数の人がもっとも知覚しやすい軸です。知的好奇心の低さを測るには、会話内容の素朴さ・アバウトさに着目することがポイントです。
また、話が複雑になると怒りっぽくなったり、話題の切り替えに合わせにくい傾向があるため、表情を含めて総合的に観察してください。
会話のセッティング
知的好奇心は、会話の情報量に表れるため、テーマを問わずストーリーを語らせることで判断できます。
- 中途採用であれば、一般的な職務説明を求めることで足ります。携わってきた仕事に関する状況理解度で測れます。
- 新卒採用の場合は、学生時代に学んできたことなどが適切でしょう。関心を持つ対象の難しさや理解度で測れます。
それぞれ話題のレベルの高低も参考にできますが、語彙の乏しさに伴う舌足らず感にも着目します。 説明が雑な印象を受ける割に、本人が説明できた気になっているようであれば、それは態度が悪いわけではなく、持っている情報の限りで説明を尽くした結果ということがよくあります。
なお、将来のビジョンや自分の考えといった抽象度の高い話題は知的好奇心の中〜低スコア帯の識別には適さないでしょう。 抽象的な思考力には複数の性格特性のバランスが必要であり、広範なターゲット層を分析する目的では機能しづらい面があります。
ビッグ・ファイブの5つの軸を個別に評価することが、人を見極める潜在能力を活用するポイントです。知的好奇心を他の特性と切り分けて評価するには、会話のテーマは誰でも話せるレベルの範囲の方が適しています。
判断ポイント
連想の広がりやすさ・反応の機敏さの点で評価してください。
知的好奇心がどのような水準であるべきかは職種によって異なるため、採用ポジション別に評価してください。 ただし、職種横断的に見ると、知的好奇心の高さは仕事のパフォーマンスと無関係であることが明らかになっているため、多くの職種では狭い基準に絞る必要はないと考えられます。
大ざっぱに言って、適切に仕事を遂行できている既存社員と同じレベルの範囲であれば問題ないでしょう。 知的労働には知的好奇心の高さが必要な一方、逆にワーカー職の定着には知的好奇心が低い方が適しています。 知的好奇心の低い人は、単調で変化のない生活を好むからです。
なお、学歴は知的好奇心のレベルとは相当乖離があります。学歴は参考の1つにとどめ、人物評価の前提とはしないよう注意しましょう。