協調性の高さは、対人距離感が他人と密着していることを示す性格類型です。 「ほのぼのとした」「温かい」「信じやすい」「気長な」といったキーワードセットで表現できます。
ビッグ・ファイブは大多数の人がもっとも知覚しやすい軸です。協調性の高さを測るには、集団への愛着性に着目することがポイントです。
会話の内容だけでなく、言い回しや行動からも対人的に愛嬌のある印象を読み取ることができるため、総合的に観察してください。
会話のセッティング
協調性は、集団や人との関係と直結しているため、面接トークから材料を得たい場合にも、集団行動や対人関係をテーマに会話すると判断材料を増やせます。
- 中途採用であれば、基本的には「チームで仕事をする機会が多いですか?」といった仕事上のチームワークについて具体的な説明を求めるのが適切でしょう。
- 立場上、チームワークのない職種もありますが、1人で仕事を進めることへのフィット感を確認すると材料が得られます。「チームワークは苦手ですか?」という質問は愚問です。
- 新卒採用の場合は、友人関係で問題ありません。コミュニケーション量や雰囲気を聞けば明確になるでしょう。
なお、人間関係の質の良し悪しに目を奪われないよう注意してください。あくまで日常的に接する人との距離感が協調性を表しています。
判断ポイント
協調性評価の一番のポイントは、ビッグ・ファイブの他の4軸と切り分けて、客観的に水準を見分けることです。
どのような水準が良いかは職種によって異なるため、採用ポジション別に評価してください。多くのケースで「協調性は高くなければならない」というバイアスがかかっていますが、職種横断的に見ると、協調性の高さは仕事のパフォーマンスと無関係であることが明らかになっています。
協調性が直接活かせる職種は、店舗スタッフやサービス業など接客を行う仕事です。営業職は協調性がメジャーな成功要因ではなく、他のビッグファイブ特性の方が重要です。
また、近年重要性が増している職種では、協調性が低くなければ遂行に難が出るものが広くあり、職種要件を明確化する際によく考えるべきと言えます。
協調性が高すぎる場合、集団に埋没する意識が強くなり、自分の考えを持ちにくい傾向も強まります。 集団行動上は無難ではありますが、主体的な活動とは矛盾する点を念頭に置きましょう。