売れる営業マン採用のポイント:発想の起点から見きわめる

売り上げを稼ぐ営業マンの1つの特徴として「自ら考えて動ける」があります。

自ら考えて動ける人とは “1を聞いて10を知る”タイプで、営業として取り組む活動件数もアベレージよりも多く、局面の変化にもブレがなく経営の意図を汲み取ることができるため、営業成績が上がる累計の人です。 また、常に前向きに率先して取り組む姿勢からチームの雰囲気を明るくする面もあります。

彼らの特徴として、外部環境を細かく見ることでスピーディーにアクションに入ることができています。 つまり、稼げない営業マンとは、着眼点が大きく異なるのです。

今回は、営業マンの発想の着眼点を見きわめる面接スクリプトをご紹介します。

面接におけるケーススタディの進め方は、面接官がナレーターとなり感情無しに状況を説明し、応募者には1営業マンとして営業活動をどうイメージするかを問うという流れになります。

<面接スクリプト>そのまま面接の場でお読みください

(Q&A用の設定は本ページ下に掲載)

ケーススタディをしたいと思います。 これから状況を説明しますので、あなたが1営業マンとしてどのような営業活動をとろうとするか教えてください。

あなたは、老舗の体操着メーカーの営業マンです。

このメーカーはこれまで地域密着型の展開が当たり、小中学生向け市場で県内シェア20%強を誇ります。

商流は、学校法人向け専門商社を介しており、商社とは長年にわたる強固な関係が築けています。

しかし近年、少子化の影響から年々出荷数が減少傾向になっています。

そこで経営判断で、以前から顧客ニーズのあったジャージについて、新商品として取り上げ、製造販売することとなりました。

さて、あなたはどのように営業活動をとりますか?

採用判断の着眼点

応募者の回答パターンとして、以下A・B・Cの3つのパターンが考えられます。

(パターンA)
社外情報に関する質問をしてきた上で営業計画を語る。または、売上目標を確認して活動計画を考える。 このパターンは、自ら考えて動けるタイプとして〇です。既存顧客の深耕案だけでなく、新規開拓の計画案まで出せたら◎と判断して良いでしょう。

(パターンB)
特に質問などは無く「とにかく商社に足を運んで提案に行く」と答える。 このパターンは、動けるタイプですが考えることは苦手なタイプなので△です。マネージャー候補として考えると厳しい面がありますが、自社の状況としてコマとして動ける人材が頭数欲しいということであれば積極的に採用しましょう。

(パターンC)
商品情報を中心とする社内情報を根掘り葉掘り聞いて提案内容を中心に語る。もしくはごにょごにょしてはっきりと語らない。
このパターンは、口先だけ達者で全く動かないタイプなので×です。営業マンとしては採用を見送った方が良いでしょう。

採用判断の着眼点に関する詳しい解説

営業活動において、外部環境は非常に重要です。すぐに社外情報に意識が働かないと的確な動きは難しいでしょう。 目まぐるしく変化する市場環境にアンテナを張り常に最善の策を練って行動を取らなければ新しい売り上げは作れない時代に突入しています。

今回のケースで最も意識して欲しいのは「時期」です。対象が学校法人となっているため、年度は100%4月スタートです。タイムリミットを逆算して「売り上げ目標」に到達するまでのアクション(1日の訪問社数や小中どちらを狙うかなど)を設計する意識がすぐに働くかは非常に重要です。

一方、初動の営業計画でどうでも良い情報は、商品の詳細情報や体制など社内の情報です。 これらの情報に先に意識が働く人は、常にマイナスの方向に意識が囚われている傾向にあります。一見真剣に売り方を考えているようで、売れない理由や出来ない理由を探しているだけで、本腰を入れて自ら動くことはありません。見せかけだけで全く売り上げが上がらない典型例です。

応募者から質問された時向けに回答例を下記に置きます。

【ケーススタディに関して質問された時の回答例】

  • 時期:予定からずれ込み、次年度予算に組み込んでもらうギリギリの1月。
  • 初年度売上目標:30校導入 4700万円
  • 取引商社数:80社 うち重要商社15社
  • 県内の学校数:小学校450校、中学校220校(高校100校)
  • 1校1学年あたりの平均学生数:小学校90名、中学校160名(高校240名)
  • 高校に入れていない理由:商流や文化が異なる。現行取引商社では商流がないため。
  • 営業マンの数:自分を含めて6名
  • 基本的な営業活動:商社へのルートセールス。学校に提案に行く時は商社の担当営業と同行。

<商品情報>

  • 価格:競合他社が8,000~10,000円のところ、15,000円と高めの設定(小学生向け10,000円)
  • 特長:機能素材を使用。保温性は高くムレにくい。
  • その他特徴:デザインカラーバリエーションは10色から選定可能。学校ロゴ、氏名の刺繍可。

【面接で演じるポイント】

<状況解説と質疑応答中>
着眼点を見たいだけなので、面接で演じる際にはとにかく淡々と話してください。質問の鋭さや回答内容に喜怒哀楽を表現すると、応募者の判断材料になってしまい本来の着眼点が引き出せなくなる可能性があります。

<営業計画案の回答後>
応募者が営業活動案を回答し終わった後には、採用の判断材料とは関係ないですが、営業計画の中身について肯定的に反応し、こちらから質問して突っ込んでみると良いでしょう。 「それは良いアイデアですね。でもやりきるのは大変じゃないですか?」 「その計画なら売上が上がること間違いないですね。次年度はどうしましょうか?」 というような反応が好例です。

これには2つの良い効果があります。
1.応募者に対して、営業計画の良し悪しで判断しているんだなと思わせることができる
2.自分のアイデアを評価された・承認されたという満足感を与えられる

特に2の要素が大きく、ただ「わかりました」で済ませて次の質問に移ってしまうと、どんな応募者でも面接官に対して嫌悪感を抱きます。面接での評価に関わらず満足してもらうためにも、気持ちよく反応しましょう。

【おまけ:ケース設計の意図】

自ら考えて動けるのかどうか、応募者の着眼点を見ることが今回の目的です。
ですから、「シンプルで誰にでもわかりやすい状況」を設計した方が良いでしょう。

自社業界の話が設計しやすいのですが、下記2点の理由から極力避けましょう。
1.評価が着眼点の良し悪しではなく、営業計画の内容の良し悪しに引っ張られて評価がブレてしまう
2.業界知識を知っている場合、必然的に営業計画もおおよそ知っている

設例を作る際に、押さえるべきポイントは3つです。

  • 既存事業で柱はある中で、新規の取り組みをしようとしている事業フェーズ
  • 商材は有形。できればイメージがわきやすい、馴染みのある消費財が良い。
  • 商流はシンプルに。商社は挟んでも1つでBtoBがベターです。

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