成果を出し続ける人材の採用ポイント:地頭の良さをはかる ~質問1つで能力試験は不要~

地頭は、企画職やマネジメント業務をする上では非常に大切な能力です。

地頭が良い人は、新しい事への対応も早く、情報の吸収力もあり、アウトプットも当然できます。何事も一旦肯定的に見てから考える習慣があり、情報を整理した上で最終的にアリかナシかを判断します。

低い人との大きな差は、インプットへの感度です。常に頭の中で空きスペースを作るようにしていないと情報を入れることは出来ません。つまり常に知的欲求を満たすために準備をしているのです。

それが面接の場面で、最も簡単にはかれる質問例をご紹介します。

<面接スクリプト>アンテナの高さで地頭の良さをはかる

直球で聞くのが良いでしょう。回答内容でジャッジできます。

「あなたの知的好奇心を知りたいのですが、最近の興味・関心事は何かありますか?」

  • (さらに引き出す質問)
  • 「詳しく説明お話しいただけますか?」
  • 「いつ知ったのですか?」
  • 「なぜ知ったのですか?」「どのように情報を仕入れたのですか?」
  • 「(あなたは)どう思いますか?」

時間・入手方法・深さの3つが評価ポイント

面接の中でも時間を割くべき質問です。話し始めた事について、5W2Hで内容を深く聞いてください。 判断基準は「いつの情報か」「どうやって情報を入手したか」「仕入れた情報量と応募者の意見・考え」です。

プライベートな話になるようであれば、地頭は期待できないと評価して早々に切り上げた方が良いでしょう。

また、関心事を話している時のノンバーバルの情報だけでも凡その判断が可能です。

  • 目力(視線が泳いでいないか)
  • 話す熱量・声量
  • 姿勢(前のめりか、もたれかかっているか)

応募者自身が勝手に決めたテーマであるため、上記の3つは全てプラスに働くはずです。 それまで冷ややかでいまいちテンションが低かった人でも、態度が一変するかもしれません。

そのため上記3つが弱々しく自信が無さそうな場合も、地頭は諦めて良いでしょう。

下からは3項目の詳細な判断基準です

<時間>
“最近”と振っているので、時間軸も確認すべきポイントです。地頭が良ければ、常に情報の仕入れ・更新を行います。 もし自らタイミングを話さないようであれば「いつ知ったのですか?」も重要な追加質問です。

基準は下記の通りです。

  • 直近~1ヶ月未満 ◎
  • 1ヶ月~3ヶ月未満 △
  • 3ヶ月~ ×

<情報の入手方法> 卑近な話題は、自ら仕入れているのではなく勝手に入ってくる情報なので、地頭が良いとは言えないでしょう。

追加質問で「どうやって情報を集めたのですか?」も聞いてみましょう。情報を積極的に取りに行くスタンスがあるのかどうかがわかります。

基準は下記の通りです。

◎ 自ら足も使って情報を取りに行く
・知見者に会いに行く、本・専門誌・論文を調べて読む、該当場所に行く

△ 手を使って情報を集める
・ネット検索

× 自動的に入ってくる情報経路のみ
・家族、親族、同僚、友人、先輩後輩、SNS(LINE、Facebook、instagramなど)、TV、ラジオ、ネットニュース・ネット動画、新聞

近年ではネットやSNSを情報源に「エセ知的好奇心が高いタイプ」が増えていますので、必ずチェックしましょう。

<深さ>
この質問の最も重要なポイントです。冒頭に触れた通り、情報量と応募者本人の意見・考えまで引き出す必要があります。

そのためには、「どういうことですか?」「理解しきれなかったので、もう少し詳しく教えていただけますか?」といった情報量を確認するための質問と「なぜそう思ったんですか?」「どう思いますか?」といった本人の意見を引き出す質問を重ねて引き出しましょう。

基準は下記の通りです。

【情報量と構築力】

複数の情報源があり、情報を繋げて話をまとめてられている


情報源は複数だが、話にまとまりがなく散らかっている

×
情報源が1つしかない

【本人の意見・考え】


理路整然と自分の意見・考えを述べる。突っ込んで質問しても、立て板に水を流すように話す。

×

  • 自分の意見がまとまらずにグダグダと話す
  • 他人の意見を流用しているだけで、突っ込んだ質問をした時にうまく答えられない

解説:地頭の良さは、仕事におけるホワイトカラー(企画・管理)能力に連動する

採用の面接シーンで、同じ意図で 「最近読んだ本は何ですか?」「それはいつ読みましたか?」 という質問を用意している企業もあり、同等レベルで見抜くことは出来ます。

ただ、幼少期に読んだ文学作品を最近読んだと言うことも可能なので、情報の鮮度が見抜きづらい点が難点のため、次点という位置づけでご紹介しました。

本も地頭が良い人でなければ、なかなか手にしません。週刊誌や新聞が関の山です。

地頭の良さは、知的好奇心(インプット能力)と論理的思考性の両方が影響しています。 そのため、幹部候補やレベルの高い企画職、マネジメントクラスを求めるのであれば、必ず確認しましょう。

いわゆる枠売り営業やチラシ営業、1スタッフであれば、強く求める必要はありません。

今回の質問は、切れ味は抜群ですが面接官の度量も問われます。 いきなり未知の話が出てきても食らいついて質問する必要があるためです。

デキる人は面接官のスキルも見ているため、今回の質問は応募者の期待に応えられる役職者におすすめです。

また、新卒採用時の学生向けでもそのまま活用可能です。 時間に余裕もあるため、幅広い話に展開して面接の場が盛り上がりやすいでしょう。

ただし、理系学生の場合は研究内容に意識を奪われがちなので、「研究内容以外で何かある?」と意図的に振った方が良い場合があります。

面接で見極めが困難な「地頭」は適性検査を使うと効果的
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