【営業の転職】職種別「自己PR」例文・サンプル集 たっぷり解説付き

採用を勝ち取れる職務経歴書を書けるかどうか―――― 
それは**「キャリア」ではなく「書き方」にかかっています。**

転職成功への第一歩「書類選考」で有利になる自己PRを書くために、目的別に例文・サンプルを解説付きでご紹介いたします。
参考にして、自分らしさが出る自己PR文を作りましょう!

1.自己PR 例文・サンプル集

1-1. 営業ひとすじ!営業から営業への転職

事例1 マネジメント/ベンチャー経験をアピール!
    金融大手(法人営業)からベンチャーへの転職経験者

〇〇〇〇株式会社で、5年間営業を続けてきました。
その中で、新規開拓から組織マネジメントまで一通りを経験し、自己の営業実績のみならずチームのマネジメントでも成果を出していることが自身の強みであると考えております。なぜなら、「信頼」は顧客からであれ社内からであれ、「人として信頼される」ことに通ずるものであり、相手によって何ら変わるものではありません。
そのため私は「一度お会いした方はお客様となりうる人である」ことを常に念頭におき、どのような方とでも信頼を構築することができるコミュニケーションを心がけております。
その後、個人としての実力を試したいという思いと、より成長速度を速めたいとの思いからベンチャー企業に転職しました。
個人としての実力とはすなわち、大手企業のネームバリューの恩恵を受けることなくいかに顧客を獲得していくか、スピード感を持って売上を拡大していくかの勝負であり、これを戦略策定から実行までの一連の流れとして取り組んできた経験も自身の糧となっています。
このような経験を活かして、今後も貴社及び社会に対して貢献していきたく、良いモノやサービスをより広く知っていただくことで社会をより良いものにしていくことが私の目標です。

<解説POINT!>
マネジメントの経験を通じて、社外(お客様)とのやりとりだけでなく社内での指導・監督や取りまとめも対人技術を磨く手段となっていることがわかりやすく書かれています。また、ベンチャーへの転職経験に絡めて自身の向上心の高さと「成長したい」という思いや、営業における一連のフローを一人でこなすことができる点を上手くアピール材料として使っています。

事例2 営業のプロとして意識していること、実績を数字でアピール!
    広告業界での営業経験者、異業種への転職の場合

前職では、新規・既存顧客はもちろん、過去に取引のあった顧客など全てに可能な限り足繁く通って情報提供し、お会いできなかった場合にも電話や手紙などでアプローチを続けることで、日々の何気ない会話を通じてヒアリングすることができたお客様の抱えている悩みや課題を通じて成約につなげてまいりました。
また、新規営業においては初めて訪問する時にも必ず何かしらの価値提供ができるよう、初回訪問時のバリューを高めることを意識しており、既にヒアリング済の課題だけでなくお客様の置かれている状況から課題の仮説を立てた上で提案を行う、といった地味な努力を続け、この取り組みによって〇〇年度においては新規営業での成約率が〇〇.〇%(社内2位で表彰)に達しました。
これまでの経験から培ってきた顧客課題のヒアリング能力や仮説からの提案能力、とにかくまめに顔と顔を合わせることをモットーとした顧客との信頼関係構築法は業界問わず活かしていけるものと考えております。
今後も営業職としての専門性と知識を更に磨くべく、プロ意識を持ち成長していきたいと思っています。

<解説POINT!>
前職での営業としての仕事の仕方が具体的に書かれていて、普段の様子のイメージが湧きやすい自己PRです。数字での実績とともにその売上げを達成した手法、自分なりの工夫についても記載があり、営業職を「専門性ある職種」と評している点、プロ意識に触れている点で「営業」に対する思いの強さがわかります。

事例3 コミュニケーション能力と、コミュニケーションに対する思いをアピール!
    メーカーでの営業経験者

私は世界と広く関わりながら常に新しい価値観や考え方に触れ、それを活かして顧客により良いモノを提供できる仕事に就き、より良い社会を創る一助となることを目標としています。
そのために私が常に大事にしているのは「関わる全ての相手と良好な関係を築くこと」です。
良好な関係はお互いの真摯かつ気軽なコミュニケーションにつながり、そのような自然な対話にこそ人々の潜在的なニーズや欲求、新しいアイディアは表れるものだと考えております。それをキャッチするアンテナを常に張り、小さなことでも満たしていくことで更なる良好な関係が生まれるというプラスのスパイラルを生んでいくことをモットーに、これまで仕事にも取り組んできました。
その蓄積と持ち前の明るさで顧客との信頼関係を築くことができて年々担当顧客も増え、お客様との会話を通じて得たアイディアの提案などを通じ、個人の実績としては〇年間で〇円の売上を獲得するとともに、今年は前年度比〇%の伸びを達成しました。
今後も自分のスタンスを大事にしながら新しい考えも取り入れ、自分の働きで誰かにとってよい便利な世の中、より楽しい毎日を創っていきたいと思っています。

<解説POINT!>
自身の仕事にはあまり詳しく触れていない代わりに、「営業の本質」とも言えるコミュニケーションと自身の営業におけるスタンスについて語ることを軸に構成された自己PRです。
このような場合に曖昧になりがちな内容を数字での実績を明確に入れることで補完しています。

例文があればスラスラ書ける

1-2. 初めて営業に挑戦!未経験での営業への転職

事例1 事務職出身でもコミュニケーション能力をアピール!
    営業事務から営業への転職

私はこれまで、株式会社〇〇〇〇で3年間事務職として勤めてまいりました。
前職の営業事務部門というのは主に営業部門をサポートする立場でもあり、また、必要に応じて社内で営業部門と管理部門との橋渡しをする立場でもあります。
日頃の仕事を進めるにあたってもコミュニケーションは非常に大切で、社内とは言えこちらはサポート役ですので常に相手をお客様だと思い、お互いの立場や考え方の相違に配慮しながら進めることを何よりも心がけています。また、大抵のことは内線電話で済ませることができるのですが、私は他の部門との間ではできる限りフェイス・トゥ・フェイスでの対話をすることにしています。そうすることで相手の表情やしぐさからノンバーバルなメッセージを受け取ることができたり、相手も「ついで」の用事を頼むことができたりと、関係を深めるきっかけづくりにもなるからです。
実際にこの姿勢で仕事を続けてきたことで立場の違う他部門との間でも円滑なやり取りができるようになり、複数部門の取りまとめが必要な業務などにおいて効果を現していました。
もちろんこれまでは数字としての成果はありませんが、コミュニケーションの本質は相手が社内であれ社外であれ、通ずるものだと思っておりますし、立場・考え方が違う複数部門とのやり取りを相手に配慮しながら日常的に行っていた経験も必ずや役立つものと思っております。
これまでの「相手との関係を作る」「人と人を取りまとめる」経験を活かして、持ち前の明るさで今度は貴社と貴社のお客様に貢献したいと考えておりますのでよろしくお願いします。

<解説POINT!>
事務職でのコミュニケーション能力を問われないわけではなく、営業事務などは営業職との良好な関係も仕事を円滑に進めるにあたって重要な要素です。
この場合、社内の人を「お客様」に例え、事務職と営業職をうまくつなげることができています。
文量として多少多いので、履歴書や職務経歴書には多少要約した内容を書き、あとは面談で詳しく語るのもいいかもしれません。

事例2 営業職への転向で自分が欲しいものを得られることをアピール!
    販売職から営業への転職

現在は雑貨店で、接客と販売を担当しています。
お客様が選ばれる商品は本当にそれぞれですが、デザインが自分好みのもの、使いやすく便利なものなどに心惹かれる気持ちは共通のものだと思います。毎日大勢のお客様と接する中で、気に入った商品を手にされたときの嬉しそうな表情や、探していたものを見つけたときの輝いた目を見ることが私の何よりの喜びです。
今の販売職でも、商品をお探しのお客様からお声がけいただき、こちらからお客様の希望や好みに合ったものを提案することはあり感謝される機会はあるのですが、営業としてより主体的・積極的に自分が提案したことで喜ばれたならそのやりがいは何倍にもなると思い、挑戦したいと思っています。
営業の経験はまだありませんが、これからも常にお客様の視点に立ち、傾聴を心がけて持ち前の明るい笑顔で誰よりも努力して早く一人前の営業職となり、一人でも多くのお客様の笑顔を見るために頑張りたいと思います。

<解説POINT!>
販売職と営業職の違いと、今の業務でやりがいに感じていること、それが営業職であればより感じられること(転職によって自分が得られるメリット)をわかりやすく書いています。
自分の得意とする部分と、未経験でも頑張りたい!という思いを正直に伝えている点が好印象でしょう。

1-3. 営業から卒業!営業から他職種への転職

事例1 マメな性格と資料作成能力をアピール!
    営業から営業事務(営業アシスタント)への転職

営業に必要なのはコミュニケーションである、とよく言われますが、私は実際には「コミュニケーション+@」だと思っております。「+@」というのはすなわち、お客様と実際にコンタクトを取る前と取った後、つまりリサーチやアプローチまでの準備段階や、お客様とお会いした後のヒアリング内容に基づいた分析・検証・仮説立ての段階などです。なぜなら、この段階が最も真剣にお客様のことを考える重要な段階であり、逆に、これをぞんざいにすれば後の結果はついてこないからです。
そのため、私は前職ではこれらの段階における地道な作業を何よりも大事にし、提案の準備段階においてはお客様個々に応じてわかりやすい簡単な資料をWordやPower Pointで作成したり、お客様とのコンタクト履歴については全てExcelファイルで記録するなどしており、自身の営業活動にも大いに役立ちました。
この資料作成能力と緻密な作業が得意な部分はサポート役としても活かすことができると思っており、また、これまでに身につけた営業のノウハウも併せて、営業にとって「かゆいところに手が届く」営業事務として活躍していきたいと思っております。

<解説POINT!>
営業職から事務職への転向の場合、営業で培った(あるいは持ち前の)コミュニケーション能力は事務職においても有用であることを中心に組み立てることもできますが、やはり事務職ですからPCスキル、資料作成能力やサポート業務への適性などは気になるところです。
この事例の場合、本人が地道かつ緻密な作業を得意としていることがよくわかり、営業職の経験をどのように活かすかについてもうまく書かれている点が評価されるでしょう。

いかがでしょうか。
それぞれに個性的な自己PRですが、ものすごい実績や成果、大きなことを成し遂げたなどがなくても自分らしい自己PRは書くことができることがわかったかと思います。
あくまでも、キャリアの差ではなく、書き方の差です。

みなさんも自分のことを客観的に分析し、強み・弱みをあぶりだした上でその強みをどう活かしていけるのか、次の章から改めて考えてみましょう。

2.まずは現在の「自分の像」を客観的に分析する

さて、ここからは自己PRをイチから書く必要があるみなさまに、まっさらな状態からの「自己PR」の考え方についてお話ししたいと思います。

2-1. 周りの人の評価や診断ツールを活用しよう

まず、基本的なことですが
 ・自分の強み
 ・自分の強みを活かしてこれまでに達成した成果の具体的な事例
 ・自分の強みを今後転職先の企業でどのように活かしていきたいか

などを挙げるのが自己PRです。

これは何よりもまず、自分の特性をよく把握していることが重要です。
ただ、自分の特性は自分が一番わかっているようでいて、実は見えていない部分が多々あるものです。
誰しも、普段は自分の見たい部分だけを見ていたいものですよね。
つまり、見たくない部分には知らずとフタをしてしまっているのはよくあることで、かなり偏った見え方をしていることが多いのです。

でも、それでは相手を納得させられるような説得感ある自己PRはできません。

まず、自分には見えていない自分の姿をあぶりだすためにも、周りの人に自分の評価を聞いてみましょう。

自己分析に加えて客観的な視点も取り入れた「自分の像」が見えてきたら、いよいよ自己PRの作成に着手します。

2-2. あいまいな「強み」は説得力なし!自分の特性を細かくブレイクダウン

さて、自己PRを書くにあたっては、当然ですが自分の「強み」を最大限にアピールできる表現を考えます。
そのためには、前段の「自分の像」から見えてきた自分の強みを、転職先の企業でどう活かすことができるかを考えることです。

ただし、このときにやりがちなのが、具体性に欠けるアピールをしてしまうこと。

「コミュニケーション能力があり人と話すのが得意なので、貴社の営業職でもその能力を活かせると思います」
「向上心があり粘り強い性格なので貴社の営業職でもその能力を活かせると思います」
などは、ありがちなNG例です。

これでは自分の強みも漠然としていて、どんな仕事でどのようにそれが活きるのかイメージが湧かないばかりか、相手からすれば「うちの会社のことも全く理解していないのではないだろうか」「本当にうちに来る気があるんだろうか」と思われてしまいます。

ではどうすればいいか。

まず、自分の「強み」については、もう一歩踏み込んだ表現となるよう工夫してみましょう。
コミュニケーション能力であれば「相手の懐に入り込んで心を掴む力」なのか、「反対意見を持つ人でも説得できる力」なのか。
粘り強さであれば、「何かを成し遂げるまで絶対に諦めない粘り腰」なのか、「目標達成のために地道な下調べや研究などをコツコツと進め、成果につなげられる強さ」なのかなど、細かくブレイクダウンして考えます。

2-3. 「強み」と実績・成果を結びつけてアピール

次に、さらに具体性を持たせるためにも、前職を含めこれまでの職歴の中で自分の「実績」として語ることができる成果などを取りまとめ、その成果が自分のどのような強み、どのような創意工夫や努力によって生まれたものかを、事例を出して語るようにします。
成果についても具体的な数値などで示すことができるのがベストですが、これはあくまでも自分の「強み」のPRのためだということを忘れず、数値での「成果」のみの内容とならないようにすることです。

「〇ヶ月間で〇件契約とりました!」
「〇〇円の売上げを一人であげました!」

など、結果のみを伝えるのではなく、自分がどのように自分の強みを活かして、どのようにしてその成果を得たのか、チームで進めた案件であればそのチームの中で自分が具体的にどのような役割を果たしたのかなど、その成果に至るまでのプロセスと、自分の強みがそこにどう影響したのかを伝えることで初めて意味のある自己PRになることを忘れずに。

2-4. 採用担当者は必ず見ている!自己PRと転職理由・志望動機の連続性

最後のまとめに、転職理由や志望動機とのつながりを意識してみましょう。
これまでの経験と今後の目標をつなげて考えることは、自己PRだけでなく自分の将来に亘るキャリアパスを考えるにあたっても重要な作業になります。
これまでの経験に基づくもの(=自己PR)と、今後の目標(=志望動機)はいわば一体不可分のもの。
自己PRと志望動機に連続性が見えないと、説得力が失われてしまいます。
また、ここがきちんと考えられた自己PRであれば、その他の受け答えにおいても矛盾や違和感が生じるようなこともなく、相手にとっても納得感あるPRができることでしょう。

なお、転職理由・志望動機の書き方についても「 営業の転職】本音はあり?受かる!「転職理由」「志望動機」例文集 」で詳しく解説していますので参考にしてください!

転職してステップアップしたい

3.「弱み」の分析は面接対策に必須!しっかり向き合おう

最後に、これは自己PRとして書く必要はないのですが・・・
「自分の像」を描くときに、「強み」だけでなく「弱み」もきちんと分析することも極めて重要です。
なぜなら、履歴書や職務経歴書には書かなくても、「自分の課題(弱み)と認識している点と、その克服または改善に向けて努力している点」などは面接ではよく聞かれることだからです。

※自己PRの面接対策は「 転職面接の自己PR 名回答・珍回答集~名回答の作り方~ 」「 未経験職種で転職成功する自己PR・志望動機 対策と例文・回答例 」を参考にしてください。

純粋にアピール材料になる「強み」は考えやすいものですが、いい機会ですから今の自分の「弱み」にもきちんと向き合ってみましょう。
「弱み」については、そもそもそれが克服可能なものなのか、本人に克服または改善する上で必要な力があるかどうか、克服・改善に向けて具体的にアクションを起こしているなどが見られます。
なお、ある程度年齢を重ねると自分の特性を根本から変えることは難しくなるので、克服・改善というよりも弱みが露呈するような状況下における「対処」の仕方を伝えると良いでしょう。その対処の仕方が適切かつ有効であれば減点を防ぐことは十分に可能です。

4.まとめ

本記事では、営業の転職で使える自己PRの例文・サンプルのご紹介とともに解説をしてみました。

なお、ここでは履歴書・職務経歴書を作成するための自己PRの考え方、書き方について詳しくお話ししていますが、自己PRについては面接の場面でも必ずといっていいほど関連する質問が出ます。