初めての新卒採用 失敗しない4つのポイント

新卒採用の流れ
新卒採用は中途採用と異なり、1年単位の長期プロジェクトになります。究極的には内定承諾を経て卒業、入社日を迎えるまで、確定とは言えません。 新卒採用は、大きく7つのステップがあります。
プロジェクト経験が浅いと「募集〜内定に向けて学生を絞り込んでいくプロセス」と考えがちですが、大多数の企業では全く異なる展開となります。 じっさいには、採用したい学生から順に辞退・音信不通が相次ぐため、逆に企業がシーズンを通じて学生を追い続けることになります。
理由は単純で、学生が企業というものを理解できないからです。不透明な物ごとの評価はブランド浸透の差で決まります。 新卒採用で失敗しないための大原則は「方向感なく大移動している学生を企業から獲得し信頼関係を構築する」という見えない競争ルールを理解することです。

採用ツールで武装する

新卒採用のコストの大きな部分を採用活動のための人件費・時間コストが占めています。 そのため「終わらない採用」は典型的な"負け戦"パターンの1つです。正社員の人件費がもっとも高単価だからです。
形勢を逆転する王道は、採用ツールを活用し合理的に採用力を強化することです。 投下済の人件費を回収するには、追加武装で世間並みの戦闘力を確保する必要があります。 代表的なツールとしては、採用ブランド向上のための媒体出稿があります(クリエイティブも大事です)。 また、人物ジャッジの精度向上のための適性検査も有効です。PR予算の余力を割きづらいケースでも、個別のキャラクターに応じた1to1のアプローチで勝っている実例は多くあります。 新卒採用特有の、ターゲット学生の判断ミスや遅れは機会損失に直結します。 中途採用であれば、経験・スキルを元に書類選考&面接で、おおよそ判断ができますが、相手が学生となると「何を見て、どう見極めれば」と悩んでしまうのです。

入りたい人材ではなく、欲しい人材を採る

初めて新卒採用すると、入社意欲が高く目を輝かせている学生に気を奪われ、内定(内々定)を提示してしまう経営者が数多くいるのが現実です。
勿論、完全に間違った採用ということではありませんが、往々にして3年以内に辞めてしまうもしくは、事業を推進する人材ではなくオペレーションやサポートを任せるポジションに収まってしまいます。
本来プロパーに期待したかった「事業をもう一段階ステップアップさせる推進力」としての機能はせず事業は横ばいで、気づかないうちに組織力が蝕まれる病が発症し始めるのです。 新卒採用でこだわるべきは、入社意欲の高い学生を採るのではなく、必要な人材・欲しい人材を徹底して採ることです。入社意欲は企業側努力で魅力づけして“高める”もの。 つまり、学生を口説くのです。

ビジネス志向の学生を採ることに集中する

そこで重要になるのが、どんな人材が欲しい・必要なのか「人材要件を定義」することです。 「学生に会ってから決めれば良い」 「まずは会ってみないとどういう人が良いのかわからない」 「決めたところで、そもそも集まらないかもしれない」 などと、初めての新卒採用に取り組む企業では、重要性がわからない為に後回しにされがちです。

要件定義をせずに採用活動を始めると、どんな事態が起こるか?

人事や現場トップ、経営者と色々な人が選考に絡み、面接官ごとの好き嫌いやぼんやりした良し悪しの“価値のない”判断情報が集まります。 ジャッジに関して、社内で話はかみ合わず、最終的に鶴の一声(経営者の好き嫌い)で内定を提示する学生が決まってしまいます。 経営者の学生に対する好き嫌いとは、既存社員への不満の裏返し。 中途社員だけで構成しているが為の、帰属意識の低さが経営者の不満になりがちで、学生に対して無意識に入社意欲を強く求めてしまいます。 新卒採用に成功している企業は、目的に忠実に「事業拡大に必要な人材・欲しい人材」を採ることを徹底しています。

ではどのような人材要件を定義すれば良いのか?

初めて新卒採用するフェーズの要件定義のポイントは、事業感覚・ビジネス志向を持っていることが重要にです。 ビジネス志向について、業種や市場動向と合わせて具体的に言語化して選考基準として採用の共通語としましょう。

採用要件は1点だけで、他の要素を見なくて大丈夫なのか?

後に述べますが、ネガティブチェックだけは必要です。それ以外は性格を把握するだけで、判断ポイントとしない方が良いでしょう。 そもそもでビジネス志向を持った学生が稀有で、それ以外に望むと候補者がいなくなってしまうからです。

とにかく口説く。落とす面接ができるのは超大手企業だけ

中途採用に慣れた結果、大きな間違いとなるのが「落とす面接をする」ことです。 事細かにチェックして、採らない理由を探してしまうのです。 ビジネス志向ができる学生はほんの一握り。超人気アイドルと言っても過言ではありません。 だからこそ、「この人だ!」と判断した学生に対しては、多少気になる点があっても積極的に総力を挙げて口説きましょう。 30分でも判断が遅れると競合他社にとられるくらいの緊張感が必要です。

ネガティブチェックだけは入念に

ただし、ビジネス志向があっても入社後活躍しない・成長しない人材が存在します。 様々な企業の組織コンサルティングとして関わった経験から、5つのポイントだけはチェックした方が良いでしょう。
◆真摯に取り組まない、期限を平気で破る、やりきらない
◆情緒が不安定、ストレス耐性が低い
◆情報のキャパシティが小さい、知的好奇心が低い
◆熱意がない、無気力感がある
◆コミュニケーション不安
紹介はしたものの感じられた通り「言うは易く行うは難し」です。 特に面接で見抜くハードルは非常に高く、面接のプロでも五分五分です。
そこで、最も有効なのが性格適性検査の活用です。 選考での有効性は認められており、新卒採用では必ず使いましょう。
前述の通り、中途採用は経験・スキル重視の採用のため、対面でのチェックが有効ですが、新卒採用はポテンシャルのみの採用となるため、多面的に評価することが有効です。
特に、ネガティブな要素は対面では誰しも隠すもの。上手下手はありますが、見抜くことは容易ではありません。 一方、弊社が開発したクラウド性格検査「Decide+」は、スマホで5分で受検可能なので学生の精神的ストレスから解放。気軽な受検による本性に近い性格分析が可能です。