使えない人材・部下のジャンル別対策

周囲から「使えない」「育たない」と言われてしまう人材は、仕事に向かない性格特性を持っています。 組織マネジメントの悩みや苦労は、育て方の問題としてとらえがちですが、素材の適合性の良し悪しの面も大きいものです。 職務適性の低い要因をジャンル別に分類すると、以下の表のようになります。
使えない人材 ジャンル別コスト増要因
ジャンル 上司の徒労 チーム不和 顧客に迷惑 業績マイナス
ちゃらんぽらん ¥¥¥
約束守らない
¥¥¥
尻ぬぐい
¥¥¥
話が変わる
¥¥¥
想定外トラブル
弱メンタル ¥¥
うつ懸念
¥¥¥
他責・丸投げ

当たり触り無

動き鈍い
石頭 ¥¥
聞く耳持たない
¥¥
ミス多い
¥¥
融通きかない

ミス多い
無気力 ¥¥¥
働かない
¥¥¥
共同作業すすまない

音沙汰ない
¥¥
何もできない
コミュ障
クセが強い
¥¥¥
非協力的

事務的応対

軽微
支離滅裂 ¥¥
話が噛み合わない
¥¥
話が噛み合わない
¥¥¥
話が変わる
¥¥
トラブル多い

ジャンル別の対策

「ちゃらんぽらん」型と「無気力」型のように、そもそも仕事環境に適していないタイプの人材は、育成で変える余地がありません。ちゃらんぽらんタイプは上司が態度を改めさせようとしても、うわべだけの約束に終わり、無気力タイプでは聞き流して終わりとなり、徒労感だけが残ります。 基本的な対策は、採用時のチェックを徹底することです。 「ストレス弱」「石頭」「コミュ障」については、適材適所を守ることが重要です。タイプ別に伝わる指示・依頼の仕方が限られるため、その範囲の仕事であれば一定の活躍は期待できます。 機転とコミュニケーションが問われるマネージャーの仕事には向かないため、昇進・選抜の際には、より性格特性をきめ細かく把握することが重要です。 性格特性の把握は、面接では隠れた面が残りがちであるため、適性検査の併用を推奨します。 クラウド適性検査Deciderは、使えない人材の懸念を「ちゃらんぽらん警報」などの分かりやすい警報・注意報でアラートします。

ちゃらんぽらん

生来、信頼性が低い「ちゃらんぽらん」型の人は、「やらずに済ます」「どうすればごまかせるか」という方向に頭を使い、仕事を進める方向に頭を使いたくない力が強く働いています。明示的な約束を守らない事件が起こったら、相当高いレベルのちゃらんぽらん型と見た方が良いでしょう。 会社の仕事は最終的には誰かが片付けなくてはならないため、チームや部下など他のメンバーが尻ぬぐいをすることとなり、つねに迷惑の震源地となります。また、顧客など対外的にも気軽に嘘をつく傾向があるため、想定外のトラブルを呼び込みやすい危険があります。

弱メンタル

ストレス耐性が弱い弱メンタルの人は、全般的にネガティブ思考でつねに心配が先に立つため、行動が鈍い傾向があります。また、心配ごとで記憶力を消耗していることが多く、複雑な仕事ではミスが多くなることも「使えない」と思わせてしまう要因となります。外見は豪快でも内面のストレス耐性が著しく低い「隠れ神経症」タイプも存在し、一見、悠然としているように見えても実は心配で発言できないケースもあり、注意が必要です。
「ストレス耐性の低さを直視する」

石頭

何かにつけて融通の利かない石頭タイプの人は、情報に対して大なり小なり拒絶感のある人です。情報量が増えることを嫌うため、外部から親切でアドバイスをしても、聞く耳を持たずむしろ態度を硬化させます。別の角度から物を見る習慣もないため、ミスも多くなりがちです。 石頭タイプの人が使えない人材になるかどうかは、仕事環境との相対的な問題です。比較的単純な仕事であれば地道にこなす美徳もあるため、石頭兆候のトラブルが起こっているのであれば、その人にとって業務環境が複雑すぎることが問題で、対策として配置転換で解決する方向性もあります。

無気力

そもそもの気力・活力レベルが低い無気力タイプは、周囲から改善することがもっとも難しいジャンルの人です。弱メンタルの人はネガティブ感受性の過敏傾向がありますが、無気力の人はポジティブ感受性を欠落しています。場合によっては併発することもあり、「ネガティブで動かない」やさぐれ批評家に陥る可能性もあります。 日常生活にも支障をきたすようであれば、脳の報酬系機能に問題がある可能性があり、抑うつ神経症の懸念もあるため、精神科医にかかることが安心と言えます。

コミュ障

孤立傾向が強いコミュ障の人は、仲間だったら助けてくれそうなシーンで暗黙の期待にこたえない、といった形でチーム内の不和を生みやすいタイプの人です。自己愛が強いため、身を切りません。 ただ、実際に仕事として使えないかどうかは、他の特性との組み合わせで評価すべきでしょう。たとえば、ちゃらんぽらん+コミュ障の併発タイプでは、利己的に他者を陥れる反社会的な挙動傾向が強まる、といったように、他のネガティブ特性と合わさった際の傾向を増幅する効果があります。 単体でコミュ障であるというだけでは、とくに問題ないケースも多々あり、むしろ単独で進めなくてはならない職人的な仕事はコミュ障の方が向きます。