女性管理職の転職が難しい理由。30代、40代の転職を成功させる考え方とは

女性活躍推進法の施行をはじめ、女性の社会における活躍に更なる脚光が当たる昨今ですが、働く女性にとって見通しが明るいばかりではありません。
女性管理職に纏わる課題は多様化するとともに複雑化しており、転職ともなるとますます難しいことも。

ここでは、30歳限界説とも35歳限界説とも言われる女性の転職について、管理職に的を絞って成功の秘訣をお伝えします。


目次

2-1. 女性であることを弱みにしない、そのために自分自身が対等であれ
2-2. ときにはこだわりを捨て、自分の新たな可能性に懸けよう
2-3. 人材紹介会社の転職エージェントを活用しよう

  • 3.まとめ

  • 1.そもそも、女性管理職の転職はなぜ難しいのか

    1-1. 「女性であるから」を完全打破することは難しい

    管理職に限らず、女性の転職には様々なハードルが存在します。
    結婚や出産、育児というライフステージの変化に伴う難しさは言わずもがな、女性特有の(または世間一般的にそうと考えられている)性質や考え方も難易度を高める要因となっています。

    理性よりも感情、理論よりも感覚、そして体力面の不安―――
    どれも偏見ともいうべきただの既成概念で、女性なら誰もが当てはまるものではありませんが、これらの定説を完全に覆すことも極めて困難です。
    女性管理職が増えている時代背景の中にあっても比率で言うと11.9%(2016年8月公表、厚生労働省調べ)―― これでも過去最高値です。出世志向のない女性が多いことも一因ではありますが、企業側の受け入れ態勢がまだまだ未熟であることも否めません。

    そのため、女性管理職の転職にあたっては転職する本人が女性であることだけでなく、企業側の事情による理由もその成否を大きく左右します。
    女性比率が多い・低いなどの環境のほか、業種・業界による違いやその企業自体の女性管理職に対する考え方、また、既存女性社員の特性が全体的に非常に「女性的」でより性差を感じさせる背景が形成されてしまうようなケースもあり、社風に合う・合わないが大きく分かれてしまうのです。

    また、転職の際には相手である企業に自分の特性を知ってもらうために時間と努力が必要です。管理職としていかに男性と同じ土俵に立とうとすれど、入り口時点ではやはり「女性」なのであって、企業側も「女性である」という認識をせざるを得ません。
    その時点で男性よりも関門がひとつ多くなってしまう実状もあるのです。

    ※ 女性管理職・ハイクラス人材の悩みとは│キャリアとライフステージの考え方

    1-2. 女性活躍推進法が生んだ「名ばかり女性管理職」という新たな弊害

    さて、女性活躍推進法に伴い、女性社員の管理職への登用を積極的に推し進めている企業も増えてきました。
    上場企業その他一定規模以上の大手企業などでは女性の役員比率や管理職比率を開示することが義務付けられたこと(中小企業においても努力義務)を受け、特にその動きが活発で、「同じ能力や評価であれば女性を昇進させる」といった実態もあります。
    男性からは「逆差別ではないか」といった感想もあるようですが、果たして女性にとって得なことばかりなのでしょうか。

    実はこの動きによって「名ばかり女性管理職」が増加しています。
    企業における女性の活躍状況の開示義務は、裏返せば企業イメージを左右するPR効果もあり、企業側としては一定水準の女性管理職あるいは女性役員の比率を達成し、維持しようとします。そのため、女性管理職がいわば“お飾り”のような使われ方をしているのも事実。

    それでも管理職は管理職、うまく使えばキャリアを押し上げるきっかけにももちろんなりますが、例えば転職活動の中では企業によって女性管理職に対する判断軸がぶれたり、特に厳しい見方をされたりする要因ともなり得ます。※今すぐ転職でない方は、ビズリーチのような、レジュメを登録して待つだけのスカウトサービス(自分の所属している会社からは、自分のレジュメ検索できないようになってるようです)も一つです。

    働く女性の「管理職になりたくない」を考える│女性管理職のメリットとデメリット

    1-3. 40代の女性管理職の転職 ―― 女性の転職限界年齢はいつ?

    女性の転職限界年齢については30歳、35歳と諸説ありますが、結局のところポジションと働き方による部分が大きく、管理職としての転職であれば40代でももちろん不可能ではありません。
    なお、「プレ管理職」と言われる管理職になる手前のポジションであれば32歳頃までの間が理想ですが35歳くらいまでは可能でしょう。

    但し、30代、40代でかつ管理職またはプレ管理職としての転職となれば、相応の能力やスキル、経験のほか実働も求められることはもちろんのこと、家庭や育児との両立体制がしっかり確立されていることが必須要件となります。
    具体的には、家庭があってもしっかり管理職としての務めを果たすことができるような家族との協力体制やベビーシッターなどの活用、本人の意識が整っていること。独身である場合には自身のキャリアも私生活も含め、将来ビジョンが固まっていてその通りに実行する用意があることなどです。

    就職や転職にあたっては男女間に区別があってはならないのが大原則ですが、これらは男性であれば問われることのない話で、実質的に女性であるがゆえの障壁といわざるを得ません。

    2.女性管理職の転職を成功に導く考え方

    2-1. 女性であることを弱みにしない、そのために自分自身が対等であれ

    現在の日本では平等を意識するあまりに、女性にやたらとスポットライトが当たっている状況です。「逆差別」というべきなのか、それともその裏の裏でやはり女性に対する差別となるのか、いずれにしても本来あるべき対等を考えれば、歪みが生じていることは間違いありません。

    そんな中、女性管理職が転職を成功させるために必要なのは、自分を卑下することでもなく、逆に「女性」を必要以上に売りにすることでもなく、あくまでフラットな目線を保つことです。
    面接などの中で、応募者が女性であることに焦点を当てた質問をする企業もあるかもしれません。業種・職種などによってはそもそもの間口が狭く、書類選考の時点でふるいにかけられることもあるでしょう。
    それでも、性別について嘘をつくわけにもいきませんし、男性を妬んでも何も変わりません。となれば、男性・女性という話ではなく、ひとりの管理職としての自分を誇り、経験やスキルをアピールするのみです。

    2-2. ときにはこだわりを捨て、自分の新たな可能性に懸けよう

    先ほども少し触れましたが、業種や職種によっては女性が活躍しづらい分野があるのも事実です。
    また、企業に特有の事情や方針により、希望の職種に就くことができない場合もあります。
    例えば、前職では現場の最前線でバリバリ仕事をこなしていた女性でも、次の企業では企業側がそのポジションに女性を置くことを想定していないかもしれません。
    また、企業側からその応募者の資質を見て、他の類似職種でぜひ活躍してほしいと見初められる場合もあります。

    そのようなときに、自分の希望や理想を貫き、活動を続けるのももちろん良いのですが、それではうまくいかない場合には、ときにはこだわりを捨てることが良い結果を生むこともあります。
    これは妥協するということではなく、自分の新たな可能性に懸けることを意味します。
    統制力や求心力、部下の管理能力、指導力や育成能力などマネジメントスキルは業種・職種が前職と多少違っていても活かすことができるものです。
    転職の目的が何であるかにもよりますが、転職するからには前職で何かしらうまくいかなかったこと、不満に思っていたことがあったはずです。
    自分にとっての新天地を開拓するわけですから、自分の希望に完全に一致しない業種や職種にチャレンジしてみることも、自分の新たな伸びしろを発見するいい機会になるかもしれません。

    2-3. ときにはこだわりを捨て、自分の新たな可能性に懸けよう

    「女性管理職」とひとくちに言っても、当たり前ですが様々な人がいます。
    ただ、残念ながらそこを一括りにしてステレオタイプ的なものの見方をする人が存在するのもまた事実で、当初から女性を敬遠してしまう企業も実在します。
    また、そうでなくても男性管理職よりも転職の間口が狭い実状や、先ほど述べたように女性管理職であるがゆえに企業側に自身の特性をよく理解してもらう必要性もあります。

    そこで、必ず活用していただきたいのが人材紹介会社の転職エージェントサービスです。
    転職エージェントは、
    ・応募者に合う企業を探すこと
    ・応募者の希望や特性を直接ヒアリングして理解すること
    ・それを企業側に効果的にアピールすること

    を通じて企業と応募者の最適なマッチングを行うことができます。
    特に管理職クラスの転職では、転職サイトなどの媒体に求人を公開していない企業も多く、自分で情報を集めて企業選びをするよりもマッチング率が高くなります。

    今すぐ転職でない方なら、ビズリーチのような、レジュメを登録して待つだけのスカウトサービス(自分の所属している会社からは、自分のレジュメ検索できないようになってるようです)を利用するのも一つです。

    ※ 詳しくは「【管理職の転職】管理職、幹部候補募集の非公開求人多数!転職成功の秘訣お教えします」

    3.まとめ

    女性管理職ならではの転職の難しさが存在することは事実です。
    但し、その難しさの根源を理解した上であれば、より適切な対策を打つことも可能ですし、併せて人材紹介サービスを利用することで転職の成功はぐっと近づきます。

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